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「打撃の神様」の古豪熊本工が産んだプロ野球選手は好打者揃い【ふるさとの夏物語~昭和編】

2022.06.26

「打撃の神様」の古豪熊本工が産んだプロ野球選手は好打者揃い【ふるさとの夏物語~昭和編】 | 高校野球ドットコム

 2022年も高校球児の目標、夏の甲子園への道がスタートする。今年は「古豪」と言われるチームの復活が話題のひとつとなっているが、「昭和」の時代、1927年(昭2)13回大会から1988年(昭63)70回大会を駆け抜けた代表校を中心に夏の甲子園出場校を振り返る企画「ふるさとの夏物語~昭和編」。今回は熊本を紹介する。

 昭和時代に夏甲子園に出場したチームの出場回数上位ランキングは以下の通り。

1位 熊本工 10回 
2位 濟々黌 4回
3位 鎮西 4回

 熊本といえば、やはり「熊工」。昭和の時代は特にその色は濃かった。1934年(昭9)、1937年(昭12)に準優勝した。ともに「打撃の神様」こと川上哲治氏が活躍した。
 川上氏をはじめ、名門からは多くのプロ野球選手を輩出している。昭和時代に熊本工でプレーしたのは川上 哲治(巨人)、吉原 正喜(巨人)、後藤 次男(阪神)、山森 雅文(阪急)、伊東 勤(西武)、井上 真二(巨人)、緒方 耕一(巨人)、前田 智徳(広島)などがいる。
 甲子園に出場したのは川上、吉原のバッテリー、後藤、伊東、緒方、前田。伊東は1980年(昭55)に出場。2回戦の大府(愛知)戦、3回戦の天理(奈良)戦と2試合連続本塁打をマークしている。緒方は1986年(昭61)で2回戦敗退、前田は2年生の1988年(昭63)に出場し初戦敗退。3年生では平成最初の1989年にも出場し初戦突破して2回戦で敗退している。「打撃の神様」の母校だからか、好打者が育っているのも面白い。

 ちなみに諸説あるが、川上氏が1937年の準優勝に終わったとき、甲子園の土を持ち帰ったのが最初で、今でも続く「夏の風物詩」のルーツとも言われている。

 熊本県初代表は熊本商。初勝利は1932年(昭7)の熊本工。最高成績は熊本工の3度の準優勝。熊本県勢の通算成績は64勝63敗で、勝利数の都道府県ランキングは25位タイ。

★熊本県勢の代表回数上位ランキング
1位 熊本工 22回  
2位 九州学院 8回 
3位 済々黌 7回  
4位 鎮西 4回
4位 城北 4回

★熊本県勢の甲子園勝利数上位ランキング
1位 熊本工 30勝(準優勝3回、4強1回、8強2回) 
2位 鎮西 8勝(4強2回)
2位 済々黌 8勝(4強1回、8強1回) 
4位 九州学院 7勝(8強2回)
5位 秀岳館 5勝(4強1回)

[page_break:熊本の夏甲子園出場校一覧]

【熊本の夏甲子園出場校一覧】
1回 1915(大4) ―
2回 1916(大5) ―
3回 1917(大6) ―
4回 1918(大7) ―
5回 1919(大8) ―
6回 1920(大9) ―
7回 1921(大10) ―
8回 1922(大11) ―
9回 1923(大12) ―
10回 1924(大13) ―
11回 1925(大14) 熊本商
12回 1926(大15) 熊本商
13回 1927(昭2) ―
14回 1928(昭3) ―
15回 1929(昭4) ―
16回 1930(昭5) ―
17回 1931(昭6) ―
18回 1932(昭7) 熊本工
19回 1933(昭8) ―
20回 1934(昭9) 熊本工
21回 1935(昭10) ―
22回 1936(昭11) ―
23回 1937(昭12) 熊本工
24回 1938(昭13) ―
25回 1939(昭14) 熊本工
26回 1940(昭15) ―
27回 1941(昭16) 戦争のため中止
   1942(昭17) 戦争のため中止
   1943(昭18) 戦争のため中止
   1944(昭19) 戦争のため中止
   1945(昭20) 戦争のため中止
28回 1946(昭21) ―
29回 1947(昭22) ―
30回 1948(昭23) ―
31回 1949(昭24) ―
32回 1950(昭25) 済々黌
33回 1951(昭26) ―
34回 1952(昭27) ―
35回 1953(昭28) 熊本
36回 1954(昭29) ―
37回 1955(昭30) 熊本
38回 1956(昭31) 済々黌
39回 1957(昭32) ―
40回 1958(昭33) 済々黌
41回 1959(昭34) 鎮西
42回 1960(昭35) 熊本商
43回 1961(昭36) ―
44回 1962(昭37) ―
45回 1963(昭38) 九州学院
46回 1964(昭39) 八代東
47回 1965(昭40) ー
48回 1966(昭41) ー
49回 1967(昭42) ー
50回 1968(昭43) 鎮西
51回 1969(昭44) ―
52回 1970(昭45) ―
53回 1971(昭46) ―
54回 1972(昭47) ―
55回 1973(昭48) 八代東
56回 1974(昭49) ―
57回 1975(昭50) 九州学院
58回 1976(昭51) 熊本工
59回 1977(昭52) 熊本工
60回 1978(昭53) 熊本工大高
61回 1979(昭54) 済々黌
62回 1980(昭55) 熊本工
63回 1981(昭56) 鎮西
64回 1982(昭57) 熊本工
65回 1983(昭58) 東海大二
66回 1984(昭59) 鎮西
67回 1985(昭60) 熊本西
68回 1986(昭61) 熊本工
69回 1987(昭62) 九州学院
70回 1988(昭63) 熊本工
71回 1989(平1) 熊本工
72回 1990(平2) 済々黌
73回 1991(平3) 熊本工
74回 1992(平4) 熊本工
75回 1993(平5) 城北
76回 1994(平6) 済々黌
77回 1995(平7) 城北
78回 1996(平8) 熊本工
79回 1997(平9) 文徳
80回 1998(平10) 九州学院
81回 1999(平11) 九州学院
82回 2000(平12) 九州学院
83回 2001(平13) 秀岳館
84回 2002(平14) 熊本工
85回 2003(平15) 必由館
86回 2004(平16) 熊本工
87回 2005(平17) 熊本工
88回 2006(平18) 熊本工
89回 2007(平19) 八代東
90回 2008(平20) 城北
91回 2009(平21) 熊本工
92回 2010(平22) 九州学院
93回 2011(平23) 専大玉名
94回 2012(平24) 済々黌
95回 2013(平25) 熊本工
96回 2014(平26) 城北
97回 2015(平27) 九州学院
98回 2016(平28) 秀岳館
99回 2017(平29) 秀岳館
100回 2018(平30)東海大熊本星翔
101回 2019(平31)熊本工
102回 2020(令2)(コロナで中止)
103回 2021(令3) 熊本工

※[team]熊本工大高=現・文徳
 東海大二=現・東海大熊本星翔

(文=

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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