高知商「球道くん」に高知「ミスター・ロッテ」を輩出【ふるさとの夏物語～昭和編】
高知商のユニホーム
2022年も高校球児の目標、夏の甲子園への道がスタートする。今年は「古豪」と言われるチームの復活が話題のひとつとなっているが、「昭和」の時代、1927年（昭2）13回大会から1988年（昭63）70回大会を駆け抜けた代表校を中心に夏の甲子園出場校を振り返る企画「ふるさとの夏物語～昭和編」。今回は高知を紹介する。
昭和時代に夏甲子園に出場したチームの出場回数上位ランキングは以下の通り。
昭和時代の高知県では、高知商が他チームを抑えてダントツで甲子園に出場した。中でも印象深いのは、のちに阪神で活躍する「球道くん」こと、中西清起投手を擁して好成績を残した。1年夏の1978年（昭53）は準優勝。2回戦の倉吉北（鳥取）戦、準々決勝の報徳学園（兵庫）戦でマウンドを経験。3年夏の1980年（昭和55）では1回戦で松商学園（長野）を完封。2回戦で箕島（和歌山）に敗れている。この年のセンバツで優勝投手となり、春夏連覇を狙ったマウンドだったが、夢はかなわなかった。
高知は1964年（昭39）に優勝を果たしている。のちにロッテで活躍し「ミスター・ロッテ」とも呼ばれた有藤通世投手が中心。前年からエースとして君臨していた。この年の夏も野手兼用で甲子園出場をつかんだが、1回戦の秋田工戦で顔面に死球を受けて欠場。その後、チームは快進撃を続けて優勝した。有藤は病院のテレビでチームメートの雄姿を見届けている。ロッテ入団後の1975年（昭50）シーズン中に登録名を「有藤道世」に変更したが、プロ入り以降、顔面への死球が5度あったことが影響して、変更したと言われている。
高知県初代表は1946年（昭21）の城東中（現・高知追手前）。初勝利もその時の初戦でマークしている。最高成績は高知と明徳義塾の優勝。高知県勢の通算成績は98勝62敗、100勝まであと2勝としている。勝利数の都道府県ランキングは千葉と並んで10位タイ。
★高知県勢の代表回数上位ランキング（複数回以上）
1位 高知商 23回
2位 明徳義塾 21回
3位 高知 13回
4位 土佐 4回
★高知県勢の甲子園勝利数上位ランキング（複数勝利以上）
1位 高知商 38勝（準優勝1回、4強3回、8強6回）
2位 明徳義塾 37勝（優勝1回、4強3回、8強2回）
3位 高知 16勝（優勝1回、8強3回）
4位 土佐 6勝（準優勝1回、8強1回）
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【高知の夏甲子園出場校一覧】
1回 1915（大4） ー
2回 1916（大5） ー
3回 1917（大6） ー
4回 1918（大7） ー
5回 1919（大8） ー
6回 1920（大9） ー
7回 1921（大10） ー
8回 1922（大11） ー
9回 1923（大12） ー
10回 1924（大13） ー
11回 1925（大14） ー
12回 1926（大15） ー
13回 1927（昭2） ー
14回 1928（昭3） ー
15回 1929（昭4） ー
16回 1930（昭5） ー
17回 1931（昭6） ー
18回 1932（昭7） ー
19回 1933（昭8） ー
20回 1934（昭9） ー
21回 1935（昭10） ー
22回 1936（昭11） ー
23回 1937（昭12） ー
24回 1938（昭13） ー
25回 1939（昭14） ー
26回 1940（昭15） ー
27回 1941（昭16） 戦争のため中止
1942（昭17） 戦争のため中止
1943（昭18） 戦争のため中止
1944（昭19） 戦争のため中止
1945（昭20） 戦争のため中止
28回 1946（昭21） 城東中
29回 1947（昭22） ー
30回 1948（昭23） 高知商
31回 1949（昭24） ー
32回 1950（昭25） ー
33回 1951（昭26） 高知商
34回 1952（昭27） ー
35回 1953（昭28） 土佐
36回 1954（昭29） 高知商
37回 1955（昭30） 城東
38回 1956（昭31） ー
39回 1957（昭32） 高知
40回 1958（昭33） 高知商
41回 1959（昭34） 高知商
42回 1960（昭35） ー
43回 1961（昭36） 高知商
44回 1962（昭37） ー
45回 1963（昭38） 高知
46回 1964（昭39） 高知
47回 1965（昭40） ー
48回 1966（昭41） ー
49回 1967（昭42） 土佐
50回 1968（昭43） 高知
51回 1969（昭44） 高知商
52回 1970（昭45） 高知商
53回 1971（昭46） ー
54回 1972（昭47） 高知商
55回 1973（昭48） 高知商
56回 1974（昭49） 高知
57回 1975（昭50） 土佐
58回 1976（昭51） ー
59回 1977（昭52） 高知
60回 1978（昭53） 高知商
61回 1979（昭54） 高知
62回 1980（昭55） 高知商
63回 1981（昭56） 高知
64回 1982（昭57） 高知商
65回 1983（昭58） 高知商
66回 1984（昭59） 明徳義塾
67回 1985（昭60） 高知商
68回 1986（昭61） 高知商
69回 1987（昭62） 伊野商
70回 1988（昭63） 高知商
71回 1989（平1） 土佐
72回 1990（平2） 高知商
73回 1991（平3） 明徳義塾
74回 1992（平4） 明徳義塾
75回 1993（平5） 高知商
76回 1994（平6） 宿毛
77回 1995（平7） 高知商
78回 1996（平8） 明徳義塾
79回 1997（平9） 高知商
80回 1998（平10） 明徳義塾
81回 1999（平11） 明徳義塾
82回 2000（平12） 明徳義塾
83回 2001（平13） 明徳義塾
84回 2002（平14） 明徳義塾
85回 2003（平15） 明徳義塾
86回 2004（平16） 明徳義塾
87回 2005（平17） 高知
88回 2006（平18） 高知商
89回 2007（平19） 高知
90回 2008（平20） 高知
91回 2009（平21） 高知
92回 2010（平22） 明徳義塾
93回 2011（平23） 明徳義塾
94回 2012（平24） 明徳義塾
95回 2013（平25） 明徳義塾
96回 2014（平26） 明徳義塾
97回 2015（平27） 明徳義塾
98回 2016（平28） 明徳義塾
99回 2017（平29） 明徳義塾
100回 2018（平30）高知商
101回 2019（平31）明徳義塾
102回 2020（令2）（コロナで中止）
103回 2021（令3） 明徳義塾
（文＝浦田由紀夫）
