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名将・上甲監督が率いた宇和島東、済美はセンバツ初出場で初V!

2022.03.07

名将・上甲監督が率いた宇和島東、済美はセンバツ初出場で初V! | 高校野球ドットコム
済美・上甲正典監督(2014年の試合より)

 2022年第94回選抜高校野球大会([stadium]阪神甲子園球場[/stadium])の組み合わせ抽選が行われ、大会は3月18日開幕する。

 1924(大正13)年から開催された大会は今年で94回目。過去、選抜されたチームの歴史を全国47都道府県別に振り返ってみる。

 今回は愛媛。今センバツへの出場校はなかった。昨年秋の県大会で1位新田、2位西条、3位済美が四国大会に挑んだが、全て初戦敗退に終わった。

過去、愛媛でのセンバツの出場回数上位ランキングは以下の通り。

<愛媛センバツ出場回数上位ランキング>
1位 松山商  16回
2位 今治西  14回
3位 西条   6回
4位 宇和島東 4回
4位 新居浜商 4回

 愛媛県勢のセンバツ初出場は、第1回(1924年)大会の松山商。第1回からの5年連続出場を含め県内では最多の16回出場を誇るが、1996年を最後にセンバツ出場からは遠ざかっている。対抗する今治西の初出場は第40回(1968年)大会。4年連続出場も経験している。

<愛媛21世紀枠出場校と結果>
2004年 八幡浜
2015年 松山東(2回戦)

 愛媛県勢の21世紀枠での出場はこれまで2校。第76回(2004年)大会で生徒数減少ながら文武両道を実践していることが評価された八幡浜が初出場。初戦で鵡川(北海道)に3対6で敗れた。第87回(2015年)大会は「スーパーグローバルハイスクール」で文武両道が評価された松山東が選出され、松山中時代の第10回(1933年)大会以来、82年ぶりに出場。初戦で二松学舎大附(東京)相手にセンバツ初勝利を挙げた。2回戦(対東海大四)で1点差の逆転負けに泣いたが、愛媛県内最古の伝統校の活躍に地元は沸いた。

 センバツの勝利数上位ランキングは以下の通り。
1位 松山商  20勝(優勝2回、準優勝1回、4強2回、8強4回)
2位 今治西  14勝(4強2回、8強1回)
3位 済美   9勝(優勝1回、準優勝1回)
4位 宇和島東 7勝(優勝1回、8強1回)
5位 新田   4勝(準優勝1回)
5位 西条   4勝(8強1回)

 愛媛県勢のセンバツ初勝利は、第2回(1925年)大会の松山商で、初戦の広陵中(現・広島広陵=広島)に勝利。その後、横浜商(神奈川)、甲陽中(現・甲陽学院=兵庫)に勝利して決勝に進むと、四国勢同士の対決となった決勝で高松商(香川)に勝って初優勝を手にした。愛媛県勢の最高成績はその時を含めた松山商の2回の優勝。その他、宇和島東済美が優勝を果たしているが、いずれも上甲正典監督が指揮を執り、ともに「初出場初優勝」だった。

第60回大会=宇和島東
2回戦:9-0 野洲(滋賀)
3回戦:9-3 近大附(大阪)
準々決勝:5-4 宇部商(山口)
準決勝:5-4 桐蔭学園(神奈川)=延長16回
決勝:6-0 東邦(愛知)

第76回大会=済美
1回戦:9-0 土浦湖北(茨城)
2回戦:1-0 東邦(愛知)
準々決勝:7-6 東北(宮城)
準決勝:7-6 明徳義塾(高知)
決勝:6-5 愛工大名電(愛知)

 1988年センバツに初出場した宇和島東は準々決勝では2点ビハインドで迎えた9回に3点を奪ってサヨナラ勝ち。準決勝で延長16回の激戦を制して勝ち上がり、勢いそのままに優勝した。

 2004年の済美は、現楽天の福井 優也投手を擁して創部3年目でセンバツ初出場すると、2回戦から決勝まですべて1点差ゲームで勝ち上がった。特に準々決勝の東北戦では9回に高橋 勇丞外野手(元阪神)の3ランで逆転サヨナラ勝ちと劇的勝利を飾った。この時の4番で大会2発を放った鵜久森 淳志外野手は、のちに日本ハム、ヤクルトでプレーしている。 

 愛媛県勢のセンバツの通算成績は66勝58敗。都道府県別勝利数ランキングは岐阜と並んで11位。近年は出場延べ4チームすべて初戦敗退と、苦戦を強いられている。


【愛媛のセンバツ出場校一覧】

大会 年度    出場校
1回 1924(大13) 松山商
2回 1925(大14) 松山商
3回 1926(大15) 松山商
4回 1927(昭2) 松山商
5回 1928(昭3) 松山商
6回 1929(昭4) ―
7回 1930(昭5) 松山商
8回 1931(昭6) 北予中
          松山商
9回 1932(昭7) 松山商
10回 1933(昭8) 松山商
          松山中
11回 1934(昭9) ―
12回 1935(昭10) 松山商
13回 1936(昭11) 松山商
14回 1937(昭12) ―
15回 1938(昭13) ―
16回 1939(昭14) ―
17回 1940(昭15) ―
18回 1941(昭16) ―
1942(昭17)戦争のため中止
1943(昭18)戦争のため中止
1944(昭19)戦争のため中止
1945(昭20)戦争のため中止
1946(昭21)戦争のため中止
19回 1947(昭22) ―
20回 1948(昭23) ―
21回 1949(昭24) ―
22回 1950(昭25) ―
23回 1951(昭26) ―
24回 1952(昭27) ―
25回 1953(昭28) ―
26回 1954(昭29) ―
27回 1955(昭30) ―
28回 1956(昭31) 西条
29回 1957(昭32) ―
30回 1958(昭33) ―
31回 1959(昭34) ―
32回 1960(昭35) ―
33回 1961(昭36) ―
34回 1962(昭37) 松山商
35回 1963(昭38) ―
36回 1964(昭39) ―
37回 1965(昭40) 今治南
38回 1966(昭41) ―
39回 1967(昭42) 松山商
           新居浜商
40回 1968(昭43) 今治西
41回 1969(昭44) 帝京第五
42回 1970(昭45) 西条
43回 1971(昭46) ―
44回 1972(昭47) 今治西
45回 1973(昭48) 今治西
46回 1974(昭49) 新居浜商
47回 1975(昭50) ―
48回 1976(昭51) 新居浜商
49回 1977(昭52) 新居浜商
50回 1978(昭53) 南宇和
51回 1979(昭54) 川之江
52回 1980(昭55) ―
53回 1981(昭56) ―
54回 1982(昭57) ―
55回 1983(昭58) 今治西
56回 1984(昭59) 松山商
57回 1985(昭60) 西条
58回 1986(昭61) ―
59回 1987(昭62) 松山北
60回 1988(昭63) 宇和島東
61回 1989(平1) 西条
62回 1990(平2) 新田
63回 1991(平3) ―
64回 1992(平4) 松山商
65回 1993(平5) 宇和島東
66回 1994(平6) 宇和島東
67回 1995(平7) 今治西
68回 1996(平8) 松山商
69回 1997(平9) 宇和島東
70回 1998(平10) 今治西
71回 1999(平11) 今治西
72回 2000(平12) 今治西
73回 2001(平13) ―
74回 2002(平14) ―
75回 2003(平15) ―
76回 2004(平16) 済美
           八幡浜
77回 2005(平17) 西条
           新田
78回 2006(平18) 今治北
79回 2007(平19) 今治西
80回 2008(平20) 今治西
81回 2009(平21) 西条
           今治西
82回 2010(平22) 今治西

83回 2011(平23) ―
84回 2012(平24) ―
85回 2013(平25) 済美
86回 2014(平26) 今治西
87回 2015(平27) 今治西
           松山東
88回 2016(平28) ―
89回 2017(平29) 帝京第五
90回 2018(平30) 松山聖陵
91回 2019(平31) 松山聖陵
92回 2020(令2) ―
93回 2021(令3) 聖カタリナ
94回 2022(令4) ―
(2020年は開催中止。☆は21世紀枠)

※北予中=現・松山北
 松山中=現・松山東

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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