東海大相模へ進学予定の193センチの本格派、軟式出身の182センチの技巧派 中学生大型左腕2人に注目
藤田 琉生(湘南ボーイズ)、八津 快洋(水元中)
巨人・阿部 剣友投手(札幌大谷出身)、鴨打 瑛二投手(創成館出身)、そして西武・羽田 慎之介投手(八王子出身)など、近年のドラフトでも獲得されることが多い大型左腕。長身を生かした独特の軌道が最大の武器となる部類の投手たちだが、高校野球ドットコムでは4月から高校野球に挑戦する楽しみな大型左腕2人を取り上げてきた。
軟式野球の葛飾区立水元中(東京)にいた八津 快洋投手は、182センチの長身の持ち主だが、下半身主導で動き出していき、コンパクトなテークバックから鋭い回転に合わせて、力強く腕を振りぬく。
長身でありながらも体をうまく使って放たれる130キロ近い速球に出どころの見にくさも相まって、スピード以上に高い質の球を投げ込んでいる。変化球は球速差が大きいだけではなく鋭く変化する。力押しというよりも、変化球を巧みに交ぜた投球術が武器といっていい。
小学生の時から全国の舞台を経験し、関東大会の常盤平中(千葉)との試合ではノーヒットノーランも達成した実績がある。能力だけではなく、実績も十分積んでいる下町の大型左腕。高校から硬式に変わるが、中学軟式出身者でもプロ入りする投手は数多い。是非、高校の舞台でもブレークしてほしい。
そして硬式では、湘南ボーイズ(神奈川)の藤田 琉生投手を紹介した。193センチと長身から角度を付けた真っすぐは最速137キロ。スピードはもちろんだが、それ以上に回転効率が優れているのが素晴らしい。
精密機械・ラプソードを用いた計測では、一切の無駄がない100%を連発し、質の高い真っすぐだということを数字が証明した。八津と違い、ボールの威力で圧倒できる投手だと考えられるだろう。
フォームについても、長い手足をうまくまとめ、全身を生かした投球を見せている。夏の選手権で全国制覇を経験した大型左腕は、東海大相模(神奈川)に進学することが明らかになった。
ライバルが多いだろうが、ベンチ入りをつかみ、公式戦のマウンドで投げる姿を見たい。
ドラフト市場でも注目が集まりやすい大型左腕。全国各地には、まだまだ逸材がいると思うが、そんな彼らに負けずに八津と藤田が世代を代表する投手になることを期待したい。