【神奈川】前回王者・東海大相模をはじめ3校がセンバツV経験　県勢V7回は全国3位

　2022年第94回選抜高校野球大会（[stadium]阪神甲子園球場[/stadium]）に出場する32校が決定した。今年の高校野球界がこのセンバツからスタートすることになる。

　1924（大正13）年から開催された大会は今年で94回目。過去、選抜されたチームの歴史を全国47都道府県別に振り返ってみる。

　今回は神奈川。昨年の秋の県大会で優勝した東海大相模と準優勝の向上が関東大会に出場したが、向上は初戦敗退し、東海大相模は8強に終わった。センバツ出場校の選考で関東5校目として東海大相模が候補に挙がったが、東京2校目の二松学舎大附に敗れて、センバツ2連覇は夢と消えた。

過去、神奈川でのセンバツの出場回数上位ランキングは以下の通り。

＜神奈川センバツ出場回数上位ランキング＞
1位　横浜　　　　16回
2位　東海大相模　12回
3位　横浜商　　　9回
4位　桐蔭学園　　6回
5位　慶應義塾　　5回

　神奈川県勢のセンバツ初出場は、第1回（1924年）大会に出場した横浜商。戦前までは強さを誇っていたが、東海大相模が第42回（1970年）に、横浜が第45回（1973年）大会にそれぞれ初出場すると「2強」時代が到来し、ここまで横浜がややリードしている。近年は伝統校の慶應義塾が台頭してきている。

　これまで神奈川県勢の21世紀枠での出場はなし。県の推薦校は関東・東京地区の推薦校にも選ばれていない。

　センバツの勝利数上位ランキングは以下の通り。

1位　東海大相模　28勝（優勝3回、準優勝2回、4強1回）
2位　横浜　　　　23勝（優勝3回、準優勝1回、8強1回）
3位　横浜商　　　10勝（準優勝1回、4強2回、8強1回）
4位　法政二　　　5勝（優勝1回）
5位　桐蔭学園　　4勝（4強1回）
5位　日大藤沢　　4勝（4強1回）
5位　慶応義塾　　4勝（8強2回）

　神奈川県勢のセンバツ初勝利は、意外にも時間がかかり、第32回（1960年）大会の慶應義塾。第1回大会から9校が連続して初戦敗退していた。（第1回横浜商は初戦で延長14回再試合の末に敗戦）。

　神奈川県勢の最高成績は横浜と東海大相模がそれぞれ3度優勝、法政二が1度優勝している。

第33回大会＝法政二
2回戦：4－1　北海（北海道）
準々決勝：3－1　浪商（現・大体大浪商＝大阪）
準決勝：10－1　平安（現・龍谷大平安＝京都）
決勝：4－0　高松商（香川）

　神奈川県最初の優勝校は初出場だった法政二。のちに巨人で活躍した柴田 勲投手を擁して、準々決勝では「怪童」と言われた尾崎 行雄投手擁する浪商を破るなど、前年の夏に続いての夏春連覇を達成している。

　横浜は第45回（1973年）大会に初出場すると、快進撃を見せて法政二同様に初出場初優勝を飾った。

第45回大会＝横浜
2回戦：6－2　小倉商（福岡）＝延長13回
準々決勝：3－0　東邦（愛知）
準決勝：4－1　鳴門工（徳島）
決勝：3－1　広島商（広島）＝延長11回

　初戦となった2回戦は、4番打者の長崎 誠がセンバツ史上初の「サヨナラ満塁本塁打」で劇的勝利。2－2で迎えた延長13回に、のちに大洋（現DeNA）に入団する小倉商の門田 富昭投手から放った。続く準々決勝では、エース永川 英植投手が東邦相手に完封勝利。決勝では、「怪物」こと江川卓投手擁する作新学院を破った広島商相手に延長11回1失点に抑えて優勝に貢献した。この時の広島商の捕手は、広島で活躍した達川 光男氏だった。その後、第70回（1998年）大会はエース松坂 大輔を擁して春夏連覇を達成。第78回（2006年）大会には現中日の福田 永将捕手らタレント軍団を擁して、決勝で史上最多となる21得点を挙げて3度目の優勝を果たしている。

　東海大相模は第72回（2000年）大会に初優勝すると、第83回（2011年）大会、そして昨年と3度の優勝を飾った。過去2度、決勝に進みながら涙をのんでいたがついに2000年に初優勝。強力打線を誇った智辯和歌山（和歌山）に競り勝った。東日本大震災の影響で開催が危ぶまれた2011年では、前年夏に甲子園準優勝したメンバーを中心に5試合74安打（46得点）と、1チームの大会最多安打記録を72年ぶりに更新する強さだった。そしてコロナ禍での開催中止から2年ぶりの開催となった昨年に3度目の優勝を果たした。

　神奈川県勢のセンバツの通算成績は81勝53敗。都道府県別勝利数ランキングは9位。神奈川県勢7回の優勝は、ともに11回でトップの大阪と愛知に次いで3位となっている。

【神奈川のセンバツ出場校一覧】

大会　年度　　　　出場校
1回　1924（大13）　横浜商
2回　1925（大14）　横浜商
3回　1926（大15）　横浜商
4回　1927（昭2）　―
5回　1928（昭3）　―
6回　1929（昭4）　―
7回　1930（昭5）　―
8回　1931（昭6）　神奈川商工
9回　1932（昭7）　―
10回　1933（昭8）　横浜商
11回　1934（昭9）　―
12回　1935（昭10）　―
13回　1936（昭11）　―
14回　1937（昭12）　―
15回　1938（昭13）　横浜商
16回　1939（昭14）　浅野中
17回　1940（昭15）　―
18回　1941（昭16）　―
1942（昭17）　戦争のため中止
1943（昭18）　戦争のため中止

1944（昭19）　戦争のため中止
1945（昭20）　戦争のため中止
1946（昭21）　戦争のため中止
19回　1947（昭22）　―
20回　1948（昭23）　―
21回　1949（昭24）　―
22回　1950（昭25）　―
23回　1951（昭26）　湘南
24回　1952（昭27）　―
25回　1953（昭28）　―
26回　1954（昭29）　湘南
27回　1955（昭30）　―
28回　1956（昭31）　―
29回　1957（昭32）　―
30回　1958（昭33）　―
31回　1959（昭34）　―
32回　1960（昭35）　慶応義塾
33回　1961（昭36）　法政二
34回　1962（昭37）　鎌倉学園
35回　1963（昭38）　―
36回　1964（昭39）　―
37回　1965（昭40）　―
38回　1966（昭41）　―
39回　1967（昭42）　―
40回　1968（昭43）　―
41回　1969（昭44）　鎌倉学園
42回　1970（昭45）　東海大相模
43回　1971（昭46）　―
44回　1972（昭47）　―
45回　1973（昭48）　横浜
46回　1974（昭49）　横浜
47回　1975（昭50）　東海大相模
48回　1976（昭51）　―
49回　1977（昭52）　―
50回　1978（昭53）　―
51回　1979（昭54）　―
52回　1980（昭55）　―
53回　1981（昭56）　―
54回　1982（昭57）　横浜商
55回　1983（昭58）　横浜商
　　　　　　　　　　　桐蔭学園
56回　1984（昭59）　法政二
57回　1985（昭60）　横浜
58回　1986（昭61）　―
59回　1987（昭62）　―
60回　1988（昭63）　桐蔭学園
61回　1989（平1）　横浜商大高
　　　　　　　　　　横浜商
62回　1990（平2）　日大藤沢
63回　1991（平3）　―
64回　1992（平4）　横浜
　　　　　　　　　　東海大相模
65回　1993（平5）　横浜
66回　1994（平6）　桐蔭学園
　　　　　　　　　　横浜
67回　1995（平7）　桐蔭学園
　　　　　　　　　　東海大相模
68回　1996（平8）　横浜
69回　1997（平9）　横浜商
70回　1998（平10）　横浜
　　　　　　　　　　　日大藤沢
71回　1999（平11）　横浜
72回　2000（平12）　東海大相模
73回　2001（平13）　桐光学園
74回　2002（平14）　―
75回　2003（平15）　横浜
　　　　　　　　　　　桐蔭学園
76回　2004（平16）　―
77回　2005（平17）　慶応義塾
　　　　　　　　　　　東海大相模
78回　2006（平18）　横浜
　　　　　　　　　　　東海大相模
79回　2007（平19）　日大藤沢
80回　2008（平20）　横浜
　　　　　　　　　　　慶応義塾
81回　2009（平21）　慶応義塾
82回　2010（平22）　東海大相模
83回　2011（平23）　横浜
　　　　　　　　　　　東海大相模
84回　2012（平24）　横浜
85回　2013（平25）　―
86回　2014（平26）　横浜
87回　2015（平27）　―
88回　2016（平28）　―
89回　2017（平29）　―
90回　2018（平30）　慶応義塾
　　　　　　　　　　　東海大相模
91回　2019（平31）　横浜
　　　　　　　　　　　桐蔭学園
92回　2020（令2）　東海大相模
93回　2021（令3）　東海大相模
94回　2022（令4）　ー
（2020年は開催中止）

※浅野中＝現・浅野