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【動画】甲子園22勝。大人の高校野球を作り上げた履正社・岡田監督の功績

2021.12.31

 履正社を超名門に育て上げた岡田龍生監督が勇退する。1997年夏に初出場したが、2006年センバツに出場してから、出場ペースが増えた。2006年以降、激戦区の大阪で、夏3回、センバツ9回。そして優勝1回、準優勝2回。合計勝利数は22勝と驚異的なペースで甲子園で勝ち星を重ねた。

 岡田監督が成し遂げた功績は大きい。筋力トレーニングと卓抜とした高い打撃技術理論でT−岡田、山田哲人の両スラッガーを筆頭に多くの強打者、巧打者を育て上げ、さらに高速ノックで守備力を鍛え、投手陣についても、制球力が高い投手を育て上げ、さらに自主性を重んじ、1つ1つのメニューを淡々とこなし、実戦形式が中心。その練習の雰囲気は大学、社会人野球のようなものだった。

 さらにベンチ入りメンバーも、選手間の投票で決めるなど、選手には主体的に練習に取り組み、さらに客観的にチームメイトを評価できる思考力も養おうと働きかけた。履正社の練習は何度か観たことはあるが、考えなし、根拠なしの行動は厳しく突き詰められる。これは一般社会人に共通する考えだろう。

 こうした練習の雰囲気が大学、社会人で活躍できる選手の基礎を作り上げ、履正社の卒業生の多くが強豪大学で続けるようになった。

 今の高校野球は一昔前に比べ、根性論はだいぶ減ってきたが、大人の野球選手になるために、サボれば一気に堕落する一般社会の厳しさで選手を育てる履正社スタイルは時代の一歩先をいっていた。

 来年4月で母校の東洋大姫路の監督の指揮を執る岡田監督。今も人間的に凛々しさを感じられる東洋大姫路ナインが岡田監督の指導スタイルでどう変わっていくのか楽しみだ。

(動画を見る)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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