巨人大卒ドラ1・翁田は、大先輩の菅野、上原のようになれるか
翁田 大勢（関西国際大）
今シーズンの巨人はセ・リーグ3連覇を逃した。エースの菅野 智之投手（東海大相模出身）やサンチェスが故障で離脱。FAで加入した井納 翔一投手（木更津総合出身）も結果を残すことができないなど、特に先発投手陣のやりくりに苦しんだ。その影響もあってか10月のドラフト会議では7人の支配下指名のうち6人が投手だった。そのなかで、ドラフト1位で指名されたのが翁田 大勢投手（西脇工ー関西国際大）だ。
これで巨人はここ2年連続で大卒の投手を1位で獲得。また大卒投手がドラフト1位となったのは、ここ5年で4人目となり、即戦力候補を獲得し続けていることになる。過去、巨人が指名した大卒ドラフト1位の投手はどのような成績を残してきたのだろうか。1989年（平元）以降で振り返ってみたい。
これまでに上原 浩治投手（東海大仰星ー大阪体育大・1998年1位）、村田 透投手（大体大浪商ー大阪体育大・2007年大社1位）、澤村 拓一投手（佐野日大ー中央大・2010年1位）と3人のメジャーリーガーが誕生している。上原と澤村は新人王も受賞するなど巨人時代に実績を残しているが、村田は3年間で1軍登板なしのまま戦力外通告を受けた。その後、インディアンスとマイナー契約を結び5年の時を経て2015年にMLBデビューを飾っている。
その他では河原 純一投手（川崎北ー駒澤大・1994年1位）、木佐貫 洋投手（川内ー亜細亜大・2002年自由枠）、久保 裕也投手（沖学園ー東海大・2002年自由枠）の3人が、巨人だけでなく複数の球団で結果を出している。とくに河原と久保は40歳を超えても現役でプレーするなど選手寿命が長かった。
一方で三野 勝大投手（丸亀商ー東北福祉大・1993年1位）や三木 均投手（飛翔館ー八戸大・2004年自由枠）は1勝も挙げることができず現役生活に別れを告げた。
現在も巨人に在籍している選手では菅野 智之投手（東海大相模ー東海大・2012年1位）が圧倒的な成績を残している。今シーズンは故障でわずか6勝にとどまるも、これまでに通算107勝をマーク。上原が日本時代にマークした112勝まであと5勝に迫った。
髙橋 優貴投手（東海大菅生ー八戸学院大・2018年1位）は今シーズン規定投球回未満だったものの、11勝を挙げブレイクの兆しを見せている。桜井 俊貴投手（北須磨ー立命館大・2015年1位）、鍬原 拓也投手（北陸ー中央大・2017年1位）、平内 龍太投手（神戸国際大附ー亜細亜大・2020年1位）の3人は目立った実績を残すことができていない。
上原や菅野のような圧倒的な成績を残す投手もいれば、芽が出ないままにユニフォームを脱いだ選手も多い。翁田は果たしてどのような活躍を見せてくれるだろうか。
＜巨人大卒ドラフト1位の投手の通算成績＞
※逆指名、自由枠、希望入団枠含む
※1989年（平成元年）以降。現巨人在籍以外の選手
三野 勝大（丸亀商ー東北福祉大・1993年1位）※すでに現役を引退
5試合（6回）0勝0敗 防御率7.50
河原 純一（川崎北ー駒澤大・1994年1位）※すでに現役を引退
275試合（600.1回） 31勝42敗40S 27H 防御率4.26
上原 浩治（東海大仰星ー大阪体育大・1998年1位）※すでに現役を引退
［NPB］312試合（1583.2回） 112勝67敗33S 23H 防御率3.02
［MLB］436試合（480.2回） 22勝26敗95S 81H 防御率2.66
木佐貫 洋（川内ー亜細亜大・2002年自由枠）※すでに現役を引退
215試合（1135回） 62勝72敗10S 防御率3.76
久保 裕也（沖学園ー東海大・2002年自由枠）※すでに現役を引退
506試合（767回） 54勝37敗37S 113H 防御率3.45
三木 均（飛翔館ー八戸大・2004年自由枠）※すでに現役を引退
8試合（5.2回） 0勝1敗 防御率11.12
福田 聡志（伊都ー東北福祉大・2005年希望枠）※すでに現役を引退
151試合（286回） 22勝15敗25H 防御率4.15
金刃 憲人（市立尼崎ー立命館大・2006年希望枠）※すでに現役を引退
216試合（326.2回） 17勝17敗36H 防御率3.97
村田 透（大体大浪商ー大阪体育大・2007年大社1位）※今シーズン日本ハムを自由契約
［NPB］75試合（210.2回） 8勝8敗7H 防御率3.46
［MLB］1試合（3.1回） 0勝1敗 防御率8.10
澤村 拓一（佐野日大ー中央大・2010年1位）※現在はレッドソックス
［NPB］352試合（868.1回） 48勝52敗75S 64H 防御率2.77
［MLB］55試合（53回） 5勝1敗10H 防御率3.06
（記事：勝田 聡）
