高校通算40本塁打のスラッガーや、敦賀気比のエースなど軟式U-15代表の選手たちも高校2年で着実に成長
浅野 翔吾(高松商)、上加世田 頼希(敦賀気比)
2019年8月、軟式U-15代表は、中国で開催された「第10回 BFA U15アジア選手権」で優勝を果たした。どちらかというと「U-15アジアチャレンジカップ」で優勝した硬式U-15代表の方が評判は高かったが、この2年で多くの選手が成長を見せている。そんな軟式代表の現在地を紹介する。
この世代で最も結果を残しているのが、高松商(香川)の浅野 翔吾だろう。中学時代は軟式で、中学通算55本塁打を放った。高校でも順調に本塁打を重ねていき、今年の夏甲子園3回戦の智辯和歌山戦で特大本塁打を放ち、高知との練習試合で通算40本塁打に到達した。
この秋から左打席にも挑戦。ロングティーでも豪快な打球を飛ばしていた。12月11日、12日は元大リーガーでマリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏が高松商で指導を行い話題となったが、浅野はイチロー氏の教えをどう活かし、進化を見せるか楽しみだ。
敦賀気比(福井)のエースへ成長した上加世田 頼希は、2年春から2季連続で甲子園を経験し、この夏はベスト8。秋はエースとして140キロ前後の速球に、切れのある変化球を投げ分け、チームを北信越大会優勝に導き、明治神宮大会に出場した。今度はエースとして出場する全国舞台での活躍を期待したい。
さらに中学時代から上加世田とバッテリーを組む渡辺 優斗は、北信越大会で17打数8安打3打点の活躍を見せた。来春のセンバツ出場が実現すれば、攻守で牽引することが期待される。
浦和学院(埼玉)に進んだ金田 優太は、2年生になってから遊撃手と一塁手を兼任。夏は遊撃手に専念して甲子園に出場した。2年秋からは、さらに成長を見せ、投手としてストレートは140キロを超え、左打席でも鋭い打球を飛ばし、浦和学院を支える二刀流として活躍を見せている。
福岡大大濠の山下恭吾は、2年春のセンバツでも活躍を見せた大型遊撃手。センバツ前の練習取材ではポテンシャルの高さを感じさせるパフォーマンスを披露した。センバツ後の九州大会でも明豊(大分)の左腕・太田 虎次朗から本塁打を放つなど、4打数3安打3打点の大活躍を見せ、秋からの新チームでも攻守でチームを牽引。九州地区を代表する遊撃手として注目されている。
田栗 慶太郎はU-12に続き、U-15代表でも入り。大崎(長崎)では強打の一塁手として活躍し、主力打者へ成長している。
大森駿太郎は、専大松戸(千葉)で2季連続で甲子園に出場。堅守巧打の内野手として着実に実績を残している。
当時、4番打者を務めた金子 永(とわ)は立教新座(埼玉)でも2年生から4番を任され、強打を発揮。今後は埼玉県屈指のスラッガーとしての活躍に期待がかかる。青山廣大(西武台)は秋季大会では満足いくパフォーマンスを発揮できなかったが、春でどんな進化を見せるか。
他では1年秋から昌平(埼玉)の中心投手の川島 新大、主に2番打者として県大会ベスト4を経験した小林洸貴(八千代松陰)など、来季以降の活躍が見逃せない選手も多い。
22年は軟式U-15代表の選手たちがどんな活躍を見せるか楽しみだ。
[page_break:【一覧】2019年BFAU‐15日本代表メンバー(出身チーム、進学先付)]【投手】
上加世田 頼希(門真ビックドリームス-敦賀気比)
近藤大誠(宮内中-新潟明訓)
石井羚(伊豆少年野球団-加藤学園)
坂本 海斗(明豊中-明豊)
松井 悠真(菊池南中-城北)
山下 恭吾(久留米BC GO AHEAD-福岡大大濠)
【捕手】
時枝龍司(青葉BA-桐蔭学園)
渡辺 優斗(門真ビックドリームス-敦賀気比)
【内野手】
田栗 慶太郎(日野中-大崎)
大森駿太郎(常盤平中-専大松戸)
川島 新大(渡部オールスターズ-昌平)
金田 優太(芝西中-浦和学院)
金子 永(SWAN埼玉SS-立教新座)
青山 廣大(SWAN埼玉SS-西武台)
【外野手】
鈴木崇之(山梨クラブ-甲府西)
浅野 翔吾(屋島中-高松商)
小林洸貴(習志野市立第一中-八千代松陰)