<都市対抗野球:NTT東日本4-1トヨタ自動車>◇2日◇1回戦◇東京ドーム

 NTT東日本のルーキー、上出 拓真投手(札幌第一ー國学院大)が、先発5回を2安打1失点に抑えて、チームを勝利に導いた。優勝経歴のあるトヨタ自動車(豊田市・東海第3代表)の強力打線を3回まで無安打。4回先頭打者に1発を浴びたが、その後5回に1安打を許しただけだった。3四球を与えるなど、走者を置く場面はあったが、1発以外の得点は与えなかった。

 「とにかくイニングの先頭打者を出さないように心がけた。相手に作戦をさせないような投球をしようと思った。5回まで粘りの投球ができて良かった」

 最速149キロを誇り、テークバックで右腕を伸ばして投げ込む独特のフォームは大学時代に身に付けた。「どうしたら強い球が投げられるかを考えて、全身を使って投げる今のフォームになった」という。

 札幌第一時代、甲子園のマウンドを踏んだ。16年センバツ、初戦で木更津総合(千葉)と対戦した。2対5で敗れたが、当時エースだった早川 隆久投手(現楽天)と投げ合った。上出は先発6回8安打3失点で降板。早川は完投勝利と「完敗」だった。しかし大舞台の経験は向上心をかきたて、大学を経て名門のNTT東日本に入社した。昨年は観客だったが、今年は都市対抗の初戦の先発マウンド。ルーキーながら都市対抗の「開幕投手」に指名されて、しっかり仕事を果たした。

 甲子園での大舞台を踏んだことのある右腕は、この日の先発でも自分の投球を貫いた。

 「こんなに1年目から先発させてもらうとは信じられない思いです。昨年(の都市対抗)は応援がないなかで、ただ観客で見ていただけでしたが、今年は応援も入っていたので、緊張はしましたが、緊張したままやるべきことをやろうと思っただけです」

 大舞台を踏んだ経験はしっかりと生かされている。