【都市対抗】110キロスラッガーが驚愕のバックスクリーン弾、広島6位から「ポスト鈴木」狙う
高校時代の末包 昇大
<都市対抗野球:大阪ガス4-0伏木海陸運送>
◇2日◇1回戦◇東京ドーム
あっという間にバックスクリーンに突き刺さった。大阪ガス(大阪市・近畿第1代表)の4番・末包 昇大外野手(高松商出身)の放った先制弾は、まさに弾丸ライナーだった。0-0で迎えた4回一死走者なしから、初球の直球を振り抜いた打球が、一直線にセンター方向へ。打球は落ちないどころがグングン伸びて先制ソロとなった。
今秋のドラフト会議で、広島6位指名を受けているスラッガー。「鈴木 誠也の打撃フォーム」を真似て打撃開眼したという4番が、笑顔でダイヤモンドを一周した。下位指名ながら、プロ1年目から活躍を予感させる打撃だった。
高松商時代は高校通算11本塁打と目立つ存在はなく、甲子園も縁がなかった。東洋大に進んでも、試行錯誤を繰り返すが結果を残すことができず、公式戦では本塁打は0本。それが大阪ガスに入って、2年目に広島鈴木のフォームを参考に打撃フォームを改造すると結果が出始めた。トップの作り方、タイミングもとり方などを徹底して研究して自分のものにしたという。力を抜いて大きく構え、左肩をやや入れ気味のトップから、思い切りのいいスイング。それを実践した結果がチームの4番という定位置確保につながった。
都市対抗予選4試合では、二次予選2回戦の日本生命戦で満塁弾を放つなど、好調ぶりをアピール。ドラフト6位指名を受けた後になった本大会初戦でも、いきなり本塁打をマークしてみせた。
広島鈴木はメジャーへ移籍予定。来季は同じチームとしてプレーすることにはならないようだが、187センチ、110キロの体格からは想像できないほどの柔らかさと強肩を持つ末包が「ポスト鈴木」へ名乗りを上げる。
★過去10年、ドラフト4位以下指名の社会人でプロ入りして活躍した主な選手は以下の通り。
2011年 ソフトバンク5位 嘉弥真新也投手(JXーENEOS)
2012年 DeNA6位 宮崎敏郎内野手(セガサミー)
2013年 ロッテ5位 井上晴哉内野手(日本生命)
中日5位 祖父江大輔投手(トヨタ自動車)
西武6位 岡田雅利捕手(大阪ガス)
2014年 オリックス8位 小田裕也外野手(日本生命)
2015年 オリックス10位 杉本裕太郎外野手(JR西日本)
2016年 楽天5位 森原康平投手(新日鉄住金広畑)
楽天9位 高梨雄平投手(JX-ENEOS)
西武5位 平井克典投手(ホンダ鈴鹿)
日本ハム8位 玉井大翔投手(新日鉄住金かずさマジック)
阪神5位 糸原健斗内野手(JX-ENEOS)
2017年 ヤクルト4位 塩見泰隆外野手(JX-ENEOS)
巨人6位 若林晃弘内野手(JX-ENEOS)
2018年 西武6位 森脇 亮介投手(セガサミー)
オリックス4位 富山 凌雅投手(トヨタ自動車)
2019年 楽天6位 滝中 瞭太投手(ホンダ鈴鹿)
2020年 阪神6位 中野 拓夢内野手(三菱自動車岡崎)
(文=浦田 由紀夫)