【都市対抗】九州の宝が同点打、九州にやってくる強打者のサヨナラ打でNTT西日本初戦突破
九州共立大時代の平良竜哉
黄色のユニフォームが東京ドームで華やかに舞った。28日に開幕した都市対抗野球の第2試合、NTT西日本(大阪市・近畿第5代表)が、エイジェック(小山市・北関東第2代表)相手に、2対1と9回逆転サヨナラ勝ちを収めた。0対1で迎えた土壇場9回に、4連打を浴びせて同点にすると、最後は1死満塁から4番の野村 勇内野手(藤井学園寒川出身)が左前へのサヨナラ打を放っての劇的勝利だった。
野村は今ドラフトでソフトバンクから4位指名を受けた遊撃手。広角に強い打球を放つことができるのが強みだ。サヨナラ打は変化球に少し泳ぎながらも、バットコントロールで左前打にしてみせた。サヨナラのチャンスで迎えた打席の初球。積極的な姿勢もプロから指名される証なのだろう。ソフトバンクは野手の世代交代を進めている途中で、野手の即戦力としても期待が高いが、合格点がもらえる打撃だった。
その劇的勝利を同点打でお膳立てしたのは、2番打者の平良 竜哉内野手だった。沖縄の前原出身で、九州共立大に進み、今年からNTT西日本に加入した。ルーキーながら都市対抗2次予選全6試合でフル出場。この日の初戦も2番二塁でスタメン出場し第一打席で二塁打をマーク。都市対抗初出場初打席初安打と「初」ずくめでスタートしていた。1点ビハインドの9回一死二、三塁で迎えた第5打席で、内角直球を詰まりながらも左前へ。自慢のフルスイングに気持ちを込めた結果がチームに勢いをつける同点打になった。
福岡六大学リーグでは九州共立大2年秋に首位打者、本塁打王、打点王の「三冠王」に輝き、MVPを獲得。大学ラストの昨年秋は通算100安打をマークした。170センチながらパワーあふれるフルスイングで打撃力を発揮していたが、そのスイングがさらにダイナミックになって最高の都市対抗デビューを飾った。
ラストの都市対抗に挑む野村に、都市対抗デビューの平良。強打の右打者に率いられたNTT西日本が、快進撃を始める。