大阪桐蔭優勝で増枠となった近畿地区。ベスト8の京都国際も喜びの声
森下瑠大(京都国際)
大阪桐蔭が明治神宮大会初優勝を収めたことで、来年春の選抜出場枠において「神宮大会枠」が近畿地区に割り当てられ、6枠から7枠へ増枠となった。当落ラインにある近畿地区でベスト8に終わったチームは市立和歌山、京都国際、東洋大姫路、近江の4校となる。決勝戦が開催された25日、京都1位の京都国際は同校で練習を行っていた。
143キロ左腕・森下瑠大(2年)は近畿大会が終了してから、トレーニングをメインに行っている。1年生のときは緊急事態宣言の影響で練習合流が6月。練習不足で、体力が落ちたことを考慮し、小牧監督によるとだいぶメニューの強度を落としていたという。それでも秋は下半身の怪我も多く、まとまったトレーニングができなかった。今年は順調にトレーニングを積むことができており、目標とする「空振りを奪える球質が良いストレート」と「平均球速140キロ超え」へ向けて、レベルアップを遂げようとしている。
2枚看板として期待される平野順大(2年)はこの1年、怪我もあり、満足な投球はできなかったが、近畿大会後に行われた県立岐阜商戦で最速145キロをマークし、ラプソードの計測だと2500回転を記録したという。
主将の辻井心捕手(2年)は「森下頼り。また個人の力だけで戦ってしまい、去年の先輩の方が築き上げてくれた『チームで戦う』ということができませんでした。もし選んでいただけるようでしたら、チーム発足時に日本一を目指すと誓ったので、チーム全員で戦うということを練習から意識して行っていきたいと思います」とチームの課題と今後の意気込みを語った。
今年は甲子園直後から全く練習試合ができず、練習試合なしで新チーム公式戦に突入。慌ただしいまま、駆け抜けた9月、10月だった。今では多くの選手に経験を積ませるため、A、Bチームを含めて、平日も練習試合を組むなど、実戦重視のスケジュールをこなしている。この秋はサインプレーが理解できる2年生で戦ったが、練習試合ではポテンシャルの高い大型1年生が結果を残しており、競争が激しくなっている。
京都1位で、さらに近畿準々決勝は2対3と1点差での惜敗と、ベスト8敗退チームの中では最も点差が小さく、森下も意地の本塁打を放ち、内容のあるゲームだった。神宮大会優勝の増枠により、全国で戦うにはどうすればいいか。25日の練習でも意識が変わる様子が見られた。
じっくり力を蓄え、来年、どんな姿を見せてくれるかとても楽しみなチームだ。
(取材=河嶋宗一)