ヤクルト高橋奎二がトップランナーに近づく。2015年ドラフト入団の高卒組
高校時代の高橋 奎二(龍谷大平安-ヤクルト)
7月30日、ヤクルトの高橋奎二が阪神戦に先発し8回無失点の好投。2月の春季キャンプ時には開幕投手候補にも名前が挙がっていた左腕が、ようやく今シーズン初勝利をマークした。
150キロを超えるストレートにカーブ、チェンジアップ、スライダーといった変化球を織り交ぜる本格派。龍谷大平安高校時代からの代名詞であった「ライアンフォーム」から脱却し、コントロールが改善された。この試合でも、与えた四球はわずかに1個。
今シーズン通算でも23.2回を投げ8個となっており、BB/9(1試合に何個四球与えるかを表す指標)は3.04。昨シーズンの5.00からおよそ2個改善された。規定投球回には届いていないものの、この数字はチームの先発投手のなかでは、小川についで2位となっている。
ヤクルトの投手陣は小川泰弘、石川雅規という軸がいるものの、それに続く存在が伸び悩んでおり高橋へかかる期待は大きい。高津臣吾監督ら首脳陣からしても、先発ローテーションの一員というだけでなく、エースを目指してほしいところだろう。
そんな高橋は2015年ドラフト3位での入団。今年が5年目のシーズンとなり、高卒で入団した選手もそろそろ一軍で戦力となりつつある時期だ。しかし、ここまでを見ると高卒で入団した選手たちは、今シーズン軒並み苦しんでいる。
1位指名を受けたオコエ瑠偉(関東一高→楽天)、平沢大河(仙台育英高→ロッテ)、小笠原慎之介(東海大相模高→中日)、高橋純平(県岐阜商高→ソフトバンク)は、いずれも一軍での出場機会は巡ってきていない。
2位以下の選手たちでは、廣岡大志(智弁学園高→ヤクルト2位)、渡邊大樹(専大松戸高→ヤクルト6位)、望月惇志(横浜創学館高→阪神4位)の3人が一軍でまずまず起用されているものの、まだ主力クラスとはいい難い。
そのなかで今シーズンの高橋はドラフト同期入団の同学年の中で、トップの成績を残しているのである。とはいえ、高校卒業時に大学へ進学した選手たちも、昨年のドラフト会議で指名されプロに入ってきた。高橋には高卒入団という枠組みだけではなく世代のトップへ向けて、ここからさらに突き抜ける成績を残すことに期待がかかる。
【2015年ドラフトで指名された高卒選手】
※2020年シーズン支配下登録選手
堀内謙伍(静岡高→楽天4位)
村林一輝(大塚高→楽天7位)
小笠原慎之介(東海大相模高→中日1位)
大瀧愛斗(花咲徳栄高→西武4位)
藤田航生(弘前工高→西武9位)
高橋樹也(花巻東高→広島3位)
平沢大河(仙台育英高→ロッテ1位)
成田翔(秋田商高→ロッテ3位)
原崇(専大松戸高→ロッテ5位)
望月惇志(横浜創学館高→阪神4位)
平沼翔太(敦賀気比高→日本ハム4位)
姫野優也(大阪偕星学園高→日本ハム8位)
高橋純平(県立岐阜商高→ソフトバンク1位)
谷川原健太(豊橋中央高→ソフトバンク3位)
茶谷健太(帝京第三高→ソフトバンク4位)※現在はロッテ
川瀬晃(大分商高→ソフトバンク6位)
廣岡大志(智弁学園高→ヤクルト2位)
高橋奎二(龍谷大平安高→3位)
渡邉大樹(専大松戸高→ヤクルト6位)