千賀を発掘した名スカウトが推す189センチ右腕・田中怜利ハモンド 育成5位から支配下を目指す
記者会見での福岡ソフトバンクホークス育成5巡目指名・田中怜利ハモンド(投手・帝京第五)
2021年10月11日(月)に東京都内のホテルで開催された「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」で福岡ソフトバンクホークスから育成5巡目指名を受けた帝京第五(愛媛)・田中 怜利ハモンド(たなか れいりはもんど・投手・189センチ82キロ・右投右打・東板橋リトルシニア<東京>出身)が10月25日(月)、愛媛県大洲市の帝京第五高校において球団からの指名あいさつを受けた。
田中 怜利ハモンド投手は、16時前、松満 幹生校長、神山 悟志部長、小林 昭則監督、母・志乃さんと共に小川 一夫GM補佐と山崎 賢一・担当スカウトを出迎えた。この2人は、東京五輪金メダリスト・日本球界を代表する本格右腕の千賀 滉大が、蒲郡(愛知)から2010年・育成4巡目指名された際でも、スカウト部長・担当スカウトとしてコンビを組んでいた。
その2人を前に最初は緊張感を隠せなかったが、20分ほどの面談を終え記者会見に臨む際には若干緊張もほぐれた様子。報道陣からの要求に「(活躍する自信は)100%です!」と元気よく答えるなど、ナイジェリア人の父を持つ潜在能力の一端をコメント面でも示した。
田中は、この夏愛媛大会直前にフォームを崩し、登板は2回戦・新居浜工戦のみに終わった。内容は先発2回3分の1、60球を投げ、1安打3四球6奪三振無失点だった。しかし、センバツ出場の聖カタリナ学園と対戦した6月の練習試合では、最速145キロのストレートとフォーク、スライダーの縦変化を駆使し好投するなど、春先から夏前にかけては軒並み好調を堅持していた。
小川一夫GM補佐・山﨑賢一担当スカウト・小林昭則監督と田中怜利ハモンド投手
福岡ソフトバンクホークスは、ドラフト直前に12球団で唯一調査書を送り、今回の育成5巡目で指名した。
「伸びしろ以外ないし、まだ身長も伸びているので成長すれば安定した投球ができるようになる」と山崎スカウトが話す「可能性」に加え、「関節が柔らかいのは千賀投手にも共通しているし、スピンが利いた捕手の手前でボールが大きく見えるストレートにつながっている」と小川GM補佐が評する「特性」を見極めた結果だった。
「まずは自分のレベルを上げて、今うまい選手より、うまくなって支配下登録され、3~4年のうちに一軍のマウンドを目指して最終的には千賀投手のようになりたい」。
強い決意を口にした田中は東京生まれの愛媛育ちの大型右腕。控えの野手だった東板橋リトルシニア時代の彼を見初め、投手への道を開いた小林 昭則監督(帝京~筑波大出身・1989年ロッテオリオンズドラフト2位指名)からの金言も胸に秘めている。
「これからは野球のこと、うまくなることだけを考えてほしい。遊びは野球が終わった後でもできる。そして努力は人の倍やりなさい」。
田中は若鷹軍団エースへの扉を開きに、九州の地へと旅立つ。
(取材=寺下 友徳)