大飛躍への「登竜門」ファーム選手権MVP、今年は誰に輝く?
巨人岡本和真内野手
今シーズンのファーム日本選手権はイースタン・リーグの覇者・ロッテとウエスタン・リーグの覇者・阪神の間で争われることに決まった。
両チームの対戦は2010年以来11年振り4度目。これまでの3度の対戦はロッテの2勝1敗となっており、阪神は五分に戻すことができるか注目される。
そのファーム日本選手権にも日本シリーズと同様にMVPがあり、勝利チームから毎年1名(降雨コールドで引き分けだった1991年は選出なし)が選出されてきた。
昨年は5打数4安打2打点の活躍を見せた村林 一輝(楽天)が受賞。それがきっかけのひとつとなったのか今年は一軍でキャリアハイとなる69試合に出場し、プロ初本塁打も記録している。
村林のようにファーム日本選手権のMVP以降、一軍で飛躍した選手には誰がいるのだろうか。楽天が新規参入した2005年以降のMVP受賞者を振り返ってみたい。
2007年のMVPには吉見 一起(中日)が選ばれた。2005年希望枠でトヨタ自動車から中日に入団した吉見は、1年目から一軍で4試合に登板する。2年目の2007年も一軍で5試合に登板していたが、ファーム日本選手権で2番手として登板。4回から8回までの5回を2安打無失点に抑えること好投で勝利投手となった。翌2008年からは一軍に定着。いきなり2ケタ勝利をマークし、以降は球界を代表する投手へと成長した。
2008年には岩嵜 翔(ソフトバンク)が高卒1年目ながらMVPに輝いている。2007年高校生ドラフト1巡目で指名を受け、市船橋からソフトバンクへと入団。ファーム日本選手権で先発に抜擢されると9回1失点完投勝利をマークした。岩嵜は2015年にも2度目のMVPを受賞。これまでにファームの日本選手権で2度のMVPを受賞した唯一の選手でもある。その後、一軍では中継ぎとしてチームに貢献。2017年には最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。
2016年には、2014年ドラフト1位で智弁学園から巨人に入団した高卒2年目の岡本 和真(巨人)が受賞している。翌2017年も二軍が主戦場だったが、2018年からは一軍に定着。昨シーズンは本塁打と打点の二冠王を獲得した。今シーズンも同様の活躍を見せていおり、4番打者としてチームを引っ張っている。
2017年には2016年ドラフト4位で日大三から広島へ入団した高卒ルーキーの坂倉 将吾(広島)がMVPに輝いた。昨シーズンは一軍で87試合に出場。今シーズンは規定打席にも到達し、3割近い打率を残す活躍を見せている。
このように投手では吉見や岩嵜、野手では岡本に坂倉と一軍でも主戦力となっている選手が過去にMVPを受賞していた。今年の受賞者も将来、一軍で活躍することに期待したい。
<ファーム日本選手権MVP>
2020年:村林 一輝(楽天)
2019年:二保 旭(ソフトバンク)
2018年:熊谷 敬宥(阪神)
2017年:坂倉 将吾(広島)
2016年:岡本 和真(巨人)
2015年:岩嵜 翔(ソフトバンク)
2014年:大嶺 翔太(ロッテ)
2013年:田上 秀則(ソフトバンク)
2012年:塀内 久雄(ロッテ)
2011年:前田 章宏(中日)
2010年:細谷 圭(ロッテ)
2009年:鈴木 義広(中日)
2008年:岩嵜 翔(ソフトバンク)
2007年:吉見 一起(中日)
2006年:中村 泰広(阪神)
2005年:辻 俊哉(ロッテ)
(記事:勝田 聡)