29得点&1イニング16点でクラーク国際が圧勝発進!
1回裏の第2打席で、大会1号となるランニング本塁打を放った左中間に放った藤野侑真二塁手
クラーク国際の長い長い初回の攻撃は、30分以上にも及んだ。打者22人が8安打を放ち、10四球を選んで16点。ちょうど1年前、同じ秋季空知地区1回戦の初回に美唄尚栄から奪った12点が、これまでの公式戦1イニング最多得点だった。
1試合計29点も同じ試合でマークした21点を上回るチーム史上最多。先発全員の21安打を相手投手に浴びせ、29対0の5回コールドでスタートダッシュを決めた。佐々木啓司監督は「遅いボールを打つのは決して簡単ではないが、よく打ったし、しっかり(四球を)選んだ」と、緩いボールをしっかり待ち、つなぎにつないで、先輩たちを凌駕した打線をほめあげた。
優勝した昨夏の独自大会を含めて3年連続で北北海道大会の決勝まで駒を進めていたが、今夏はまさかの北北海道大会1回戦負け。5年ぶり甲子園出場の夢が少し早く潰えた翌日から、白取 太郎新主将(2年)の新チームが始動した。
これまで「大会前ぐらいしかやらなかったと思う」(白取)という選手ミーティングを1ヶ月に3~4回召集して部員のコミュニケーションの機会を増やすとともに、トレーニング内容から寮内の行動まで、チームで守るべきルールを全員が徹底した。「今日のように、試合でも全員の意識がつながるようになった」と白取は話す。
緩急を使った投球で、3球三振4人を含む6者連続空振り三振を奪ったエースの山中
この日は、投げる方も5回を4人がノーヒットでつないだ。先発した左腕エース山中麟翔(2年)、2番手で登板した右の田中 聖人(1年)は、2人で9人連続奪三振を記録。3番手で投げた右の中村 光琉(1年)、抑えの辻田 旭輝(2年)も無安打に封じ、相手にほとんど何もさせなかった。15人の打者から13個という驚異的な数の三振を奪い、2日後の2回戦進出が決まった。
「僕たちは強い。今大会の目標は、北海道大会優勝、そして(11月予定の)明治神宮大会、センバツ甲子園」と白取主将。創部8年目で初の〝春〟に向け、クラーク国際がまずは最高のスタートを切った。