10試合中8試合でQS達成の伊藤 大海など北海道日本ハムファイターズのルーキーたち
伊藤 大海(駒大苫小牧高出身)
セ・パ交流戦が終了し各チームとも65試合ほどを消化した。もう少しでシーズンの折返しとなるこの時期までに、多くの新人選手たちが一軍デビューを飾っている。
佐藤 輝明(阪神)や早川 隆久(楽天)に目が行くが、その他の選手たちはどのような状況なのだろうか。各チームの新人選手たちのここまでを振り返ってみたい。
ロッテはドラフト1位左腕の鈴木 昭汰(常総学院高→法政大)が開幕ローテーションに入った。開幕から5試合目でプロ初勝利をマークした後、一時的に中継ぎ起用はあったもののここまで12試合に登板。1勝3敗、防御率4.05の成績を残している。
パ・リーグ最下位と苦しんでいる日本ハムはドラフト1位の伊藤 大海(駒大苫小牧高→駒大中退→苫小牧駒大)が先発ローテーションに入った。ここまで10試合の先発中8試合でQSを達成するなど安定感は抜群だ。
また、規定投球回にはわずかに届いていないものの防御率2.77は上沢 直之(2.78)を上回っているほど。奪三振率10.51も8先発以上の投手の中ではリーグトップ。セ・パ交流戦では3勝0敗、防御率0.90と圧巻の成績を残し優秀選手賞にあたる日本生命賞を受賞した。勝ち星では早川に遅れをとっているが内容では決して引けを取らない。
ドラフト2位の五十幡 亮汰(佐野日大高→中央大)は、現在肉離れで離脱中だが一軍で出場した19試合では存在感を見せた。リードオフマンとして起用され打率.286(63打数18安打)とまずまずの数字を残し、盗塁は8個(盗塁死1)と噂に違わぬ足も披露している。また守備面でも広大な守備範囲を誇り、多くのファインプレーを見せた。
上位指名2人以外で一軍デビューを果たしたのが、6位の今川 優馬(東海大四高→東海大北海道→JFE東日本)。フルスイングが売りの外野手だが一軍では本塁打だけでなく安打も出ていない。しかし二軍では打率3割を超えイースタン・リーグ4位タイの6本塁打を放っている。
3位の古川 裕大(久留米商→上武大)、4位の細川 凌平(智弁和歌山高)、5位の根本 悠楓(苫小牧中央高)はいずれも二軍で研鑽を積んでいる。
なかでも高卒ルーキーの根本は7試合の登板で防御率0.55と結果を出している。6月17日の西武戦(二軍)では4回無失点と好投した。ここまで16.1回を投げ与四球9はやや多いものの、15奪三振と三振を奪う能力があるのも心強い。
<2020年ドラフト指名選手>
※育成ドラフトは支配下登録された選手のみ
1位:伊藤 大海(駒大苫小牧高→駒大中退→苫小牧駒大)
[一軍]10試合(61.2回) 4勝4敗 防御率2.77
[二軍]1試合(4回) 0勝0敗 防御率2.25
2位:五十幡 亮汰(佐野日大高→中央大)
[一軍]19試合 打率.286(63打数18安打) 1本塁打 4打点
[二軍]15試合 打率.256(39打数10安打) 0本塁打 1打点
3位:古川 裕大(久留米商→上武大)
[一軍]出場なし
[二軍]28試合 打率.200(65打数13安打) 1本塁打 14打点
4位:細川 凌平(智弁和歌山高)
[一軍]出場なし
[二軍]13試合 打率.235(51打数12安打) 0本塁打 6打点
5位:根本 悠楓(苫小牧中央高)
[一軍]出場なし
[二軍]7試合(16.1回) 1勝0敗 防御率0.55
6位:今川 優馬(東海大四高→東海大北海道→JFE東日本)
[一軍]6試合 打率.000(11打数0安打) 0本塁打 0打点
[二軍]28試合 打率.316(98打数31安打) 6本塁打 17打点
※数字は2021年6月21日終了時点
(記事:勝田 聡)