実は挨拶だった!05年駒大苫小牧の主将が明かす「No.1ポーズ」のルーツ
もうお馴染みといっていいNO.1ポーズ
順延続きだった第103回選手権大会も、残すは決勝戦を残すのみとなった。
数時間後には、智辯学園と智辯和歌山が日本一を懸けて激突するが、毎年決勝戦の風物詩となっているのが、優勝チームの選手たちがマウンドで見せる「No.1ポーズ」だ。
今や他競技でも目にするようになったこのポーズ、実は北海道・駒大苫小牧が発祥だったことをご存じだろうか。
頂点に立った者に相応しいポーズにも思えるが、これは元駒大苫小牧・香田誉士文監督が考案した挨拶がルーツ。グラウンドだけでなく、校舎の中でも、選手たちは監督とすれ違う時には「No.1ポーズ」を作って挨拶をする。これが2004年に初の日本一に輝いた時、示し合わせた訳ではなく、自然と選手たちはマウンドで「No.1ポーズ」をとるに至ったのだ。
駒澤大・林裕也コーチ
2004年に主に「7番・二塁」として出場し、2005年には主将としてチームを日本一に導いた林裕也さん(現駒澤大コーチ)は、「No.1ポーズ」について当時を次のように振り返る。
「監督と会った時に『No.1ポーズ』で『おはようございます』と言うと、監督も『おはよう』と言って『No.1ポーズ』を返してくれるんです。一番を目指してやることが、挨拶時の意思疎通としてあったので、本当に自然に出ましたね。
3年間ずっとやっていましたし、バスにも『No.1ポーズ』のマークが付いていました。マウンドに集まった時に『No.1ポーズ』を掲げるのは、僕らにとっては普通のこと、『挨拶』だったんですよ」
ちなみに決勝の舞台に立つ智辯和歌山は、和歌山大会優勝を果たした際、対戦相手への敬意からマウンドに集まることなく速やかに整列した。
今年も「No.1ポーズ」を見ることになるのか、はたまた新たな潮流が生まれるか。試合内容以外でも、決勝戦は見所満載だ。
(記事=栗崎祐太朗)