地元出身ドラ1として、DeNA森は「ポスト筒香」になれるのか
高校時代の森敬斗(桐蔭学園)
8月19日、DeNAが阪神に勝利し後半戦初白星を挙げた。前半戦は最下位と低迷し後半戦も3連敗スタートと苦しんでいるが、ここから巻き返しを図っていきたいところだろう。
その後半戦初勝利となった阪神戦で先制打を放ったのが、高卒2年目の森 敬斗だった。森は前半戦終了間際から一軍での出場が続いているが、後半戦は3試合で打率.385(13打数5安打)と好調。「2番・遊撃」の座をものにしつつある。
そんな森は2019年ドラフト1位で指名され桐蔭学園高からDeNAへと入団した。DeNA(前身球団含む)が、地元神奈川県の高校出身者をドラフト1位で指名したのは、現在パイレーツでプレーする筒香 嘉智(横浜高→2009年横浜1位)以来10年ぶりだった。
さて、DeNA(前身球団含む)がこれまでに指名したドラフト1位選手で、神奈川県の高校出身者は誰がいるのだろうか。振り返ってみたい。
最初に神奈川県の高校出身者をドラフト1位で指名したのは、川崎球場時代の1968年のことで野村 収(平塚農→駒沢大→1968年大洋1位)だった。野村は大洋、ロッテ、日本ハム、再び大洋、そして阪神と渡り歩き通算579試合に登板した右腕。史上初めて12球団から勝ち星を挙げた投手としても知られている。
本拠地が[stadium]横浜スタジアム[/stadium]になってから初めての指名は小桧山 雅仁(桐蔭学園→慶応大→日本石油→1992年横浜1位)。そこから河原 隆一(横浜商→関東学院大→1993年横浜1位)、紀田 彰一(横浜→1994年横浜1位)と3年連続で神奈川県の高校出身者を指名。さらに1年空いて川村 丈夫(厚木→立教大→日本石油→1996年横浜1位)を指名している。
河原は通算271試合に登板、川村は368試合の登板で71勝を挙げた。一方で小桧山と紀田はドラフト1位指名選手として十分な成績を残すことができなかった。とくに紀田は一軍出場がわずか6試合にとどまっている。
川村から13年の時を経て指名したのが筒香 嘉智(横浜高→2009年横浜1位)だった。筒香は3年目にレギュラーに定着すると、4年目は故障で23試合の出場にとどまるも以降は主力として活躍。2016年には44本塁打、110打点で二冠王にも輝いた。
森は筒香と打者としてのタイプは違うが、神奈川県の高校出身者としてチームの中心選手になることができるだろうか。今後のプレーにも注目したい。
<神奈川県の高校出身のDeNAのドラフト1位選手>
※前身球団含む
野村 収(平塚農→駒沢大→1968年大洋1位)
小桧山 雅仁(桐蔭学園→慶応大→日本石油→1992年横浜1位)
河原 隆一(横浜商→関東学院大→1993年横浜1位)
紀田 彰一(横浜→1994年横浜1位)
川村 丈夫(厚木→立教大→日本石油→1996年横浜1位)
筒香 嘉智(横浜→2009年横浜1位)
森 敬斗(桐蔭学園→2019年DeNA1位)
(記事:勝田 聡)