史上最多の6度目の順延となった夏の甲子園。千葉大会から連続中止を経験した専大松戸は歴史的なチーム
第103回全国高等学校野球選手権は史上最多の6度目の順延となった。ここまで2校が辞退という異例な大会となったが、地方大会通じて、順延続きの経験をした学校がある。それが専大松戸だ。
今年の千葉大会は6月30日開幕で、7月1日から順次、試合が開催される予定だった。これは、東京オリンピックが始まる前に決勝をするために、イレギュラーなスケジュールを組んだためだ。
決勝会場の[stadium]ZOZOマリンスタジアム[/stadium]がある幕張エリアでは、フェンシングとテコンドーが7月24日から始まり、そのためには何としても競技開始前にZOZOマリンスタジアムでの決勝を終わらせる必要があったからだ。
ところが、雨天続きで、1日、2日、3日と3日連続で雨天中止。4日までに2回戦が終了する予定だったが、4日まで4試合しか消化できなかった。
専大松戸の登場は当初の予定から1週間遅い11日からとなった。それから専大松戸は21日までの決勝戦までの11日間で7試合を戦う超過密スケジュールとなった。そして甲子園でも、6日の順延。もし決勝まで勝ち進んだ場合、22日から29日まで8日間で5試合戦うことになる。これはどの学校も条件は同じだが、長い高校野球史でも、ここまで順延を経験しているチームはそうないといえる。
ただ、近年の7、8月は梅雨のような雨で中止になるケースが多い。たとえば、昨年の西東京独自大会では、早稲田実業vs八王子の試合が4日連続中止になる事態があった。
屋外球場がメインの高校野球はこういうケースがたびたび起こる。地方大会、甲子園が違うのは、宿泊を伴うため、費用的にも嵩み、現在の感染症に対するリスクも高まる点だ。今年は入場料収入が期待できないため、相当頭が痛い問題だと伺える。
今年起こった事実は記し、翌年以降に活かす必要があるだろう。その中で最も順延を経験している専大松戸はセンバツ準優勝の明豊を破り、ある意味、歴史的なチームといえる。大会終了までどんな1ページを残していくのか注目したい。
(記事:河嶋 宗一)