甲子園の申し子など明徳義塾が最多6人現役でプレー
岸 潤一郎(明徳義塾出身)
夏の甲子園が2年ぶりに開催される。全49校が深紅の大優勝旗を目指して熱戦を繰り広げることだろう。すでに決定している全49校からは多くのNPBプレーヤーが誕生している。そのなかで代表的なOBや今シーズンも現役でプレーしている選手はどれだけいるのだろうか。各地区ごとに振り返ってみたい。
四国地区は高松商(香川)、阿南光(徳島)、新田(愛媛)、明徳義塾(高知)の4校が出場する。
高松商は「四国四商」の一角であり名門だが、現役のNPBプレーヤーは松永昂大(ロッテ)ひとりだけしかいない。松永は昨シーズンオフに国内FA権を行使した上でロッテに残留。もちろん今シーズンも中継ぎの一角として期待されていた。しかし3月9日のオープン戦以降、一軍、二軍ともに登板がない。後半戦で戦列に復帰することが望まれている。
明徳義塾は育成契約含めて6選手がNPBでプレーしている。投手は石橋良太(楽天)と市川悠太(ヤクルト)のふたり。いずれも前半戦では一軍登板がなかった。しかし石橋は7月30日に行われたDeNA戦(エキシビションマッチ)で5回1失点と好投。後半戦での先発ローテーション入りに名乗りを上げた。
その試合で石橋から打点をマークしたのが、同じく明徳義塾出身で2学年先輩の伊藤光(DeNA)だった。伊藤は故障もあり前半戦は36試合の出場で打率.231(117打数27安打)と苦しんだ。しかしこの試合では意地の一打を放ち、先輩としての貫禄を見せた。
高卒5年目を迎えた古賀優大(ヤクルト)は、すでにキャリアハイを超える34試合に出場。課題だった打撃も向上しており、ここまで打率.211(76打数16安打)の成績を残している。
2年目の岸潤一郎(西武)は45試合に出場しプロ初安打、初本塁打を記録するなどキャリアを積み重ねている。スタメンでの出場機会も増えており、後半戦ではレギュラーを狙いたいところ。
西浦颯大(オリックス)は「両側特発性大腿骨頭壊死症」を発症し、現在はリハビリ中。今シーズン中の試合出場は難しく、来シーズン以降での復帰を目指す。
阿南光(徳島)、新田(愛媛)の現役プレーヤーはひとりもいない。阿南光は阿南工と新野が18年に合併した高校で、合併以前を含めると阿南工OBに條辺剛(巨人)がいる。また新田は越智大祐(巨人)の出身校として知られている。
【四国地区の出場校OB】
※2021年シーズンNPBもしくはMLB所属
・高松商(香川)
松永昂大(高松商→関西国際大→大阪ガス→2012年ロッテ1位)
・阿南光(徳島)
なし
・新田(愛媛)
なし
・明徳義塾(高知)
伊藤 光(明徳義塾→2007年高・オリックス3巡)
石橋 良太(明徳義塾→拓殖大→ホンダ→2015年楽天5位)
古賀 優大(明徳義塾→2016年ヤクルト5位)
西浦 颯大(明徳義塾→2017年オリックス6位)※現在は育成
市川 悠太(明徳義塾→2018年ヤクルト3位)
岸 潤一郎(明徳義塾→拓殖大(中退)→四国IL・徳島→2019年西武8位)
(文=勝田 聡)