【中日】5年目石垣のブレーク、ベテラン山井らの復調に期待
石垣 雅海(酒田南出身)
プロ野球は前半戦を終え一軍は東京オリンピック開催に伴う中断期間に入った。日本代表に招集されている選手以外は、練習や二軍戦で汗を流している。そのなかには前半戦で一軍未出場だった選手も多い。
昨シーズン8年ぶりにAクラス入りを果たした中日は4位で前半戦を折り返した。チーム防御率3.31はリーグトップと投手陣が力を発揮したが、打撃面では249得点、チーム打率.238、49本塁打はいずれもリーグワーストと苦労している。
一方の二軍では楽しみな若手野手がいる。そのひとりが石垣 雅海だ。高卒5年目となる石垣は、今シーズンここまで一軍出場がない。
二軍では49試合の出場で打率.247(158打数39安打)、5本塁打、21打点の成績を残しており、5本塁打は山下 斐紹と並んでチームトップタイ。一塁(18試合)、二塁(16試合)、三塁(25試合)、遊撃(1試合)と複数の内野ポジションを守っている。遊撃は1試合だけだが、その他のポジションはすべて15試合以上で守備についているのは大きな強み。エキシビションマッチでアピールを重ねていきたいところ。
現在離脱中の2019年ドラフト1位の石川 昂弥も楽しみなひとり。石川は昨シーズン一軍で14試合に出場し打率.222(36打数8安打)の成績を残したが、今シーズンは二軍で汗を流している。ここまで33試合の出場で打率.238(122打数29安打)、3本塁打の成績を残していた。しかし6月に死球を受け、左尺骨を骨折。復帰は今シーズン終盤以降の見込みとなっている。
投手陣ではベテランの山井 大介、そして笠原 祥太郎とふたりの開幕投手経験者が一軍未登板。二軍で山井は13試合で6勝3敗、防御率4.02、笠原は11試合で2勝3敗、防御率4.22と悲観する内容ではない。またその他に清水達也も控えている。右肩痛で戦列を離れていた期間もあったがすでに復帰。7月25日の阪神戦では6回無四球無失点、被安打5と順調な仕上がりを見せた。この3人は後半戦で先発起用される可能性が十分にありそうだ。
2年連続でAクラス入りを狙うためにも現在の一軍戦力だけでなく、二軍からの突き上げは必須条件。今シーズンは一軍未出場の選手たちがカンフル剤となることに期待がかかる。
【中日の前半戦一軍未出場選手】
<投手>
高橋 宏斗(中京大中京高→2020年1位)
森 博人(豊川高→日本体育大→2020年2位)
山井 大介(神戸弘陵高→奈良産業大→河合楽器→2001年6巡)
石川 翔(青藍泰斗高→2017年2位)
三ツ間 卓也(健大高崎高→高千帆大→BC武蔵→2015年育成3位)
笠原 祥太郎(新津高→新潟医療福祉大→2016年4位)
清水 達也(花咲徳栄高→2017年4位)
マルク(東邦高→龍谷大→2017年育成2位)
福島 章太(倉敷工→2020年4位)
加藤 翼(帝京可児高→2020年5位)
濱田 達郎(愛工大名電高→2012年2位)
木下 雄介(生光学園高→駒沢大(中退)→四国IL徳島→2016年育成1位)
<野手>
石川 昂弥(東邦高→2019年1位)
藤井 淳志(豊橋東高→筑波大→NTT西日本→2005年大社3巡)
遠藤 一星(駒場学園高→中央大→東京ガス→2014年7位)
大野 奨太(岐阜総合学園高→東洋大→2008年1位)※ドラフト指名は日本ハム
三好 大倫(三本松高→JFE西日本→2020年6位)
渡辺 勝(東海大相模高→東海大→2015年育成3位)
石垣 雅海(酒田南高→2016年3位)
土田 龍空(近江高→2020年3位)
伊藤 康祐(中京大中京高→2017年5位)
(記事:勝田聡)