【広島】韮澤の台頭に期待、実績ある今村、岡田の復調もカギ
岡田 明丈投手(広島東洋カープ)
プロ野球は前半戦を終え一軍は東京オリンピック開催に伴う中断期間に入った。日本代表に招集されている選手以外は、練習や二軍戦で汗を流している。そのなかには前半戦で一軍未出場だった選手も多い。
借金8の5位と苦しんでいる広島は今村 猛、岡田 明丈のドラフト1位コンビが一軍での出番を得ることができていない。二軍では今村が25試合の登板で防御率2.81とまずまずだが、岡田は最終登板が5月29日としばらく登板がなく、6試合(先発5試合)で防御率4.73といまひとつな状況だ。
両投手とも2016年からの3連覇には大きく貢献しており実績は十分。二軍戦、そしてエキシビショッマッチで結果を出し、後半戦で一軍の戦力となることに期待がかかる。
山口 翔、アドゥワ 誠といった若い投手たちも一軍での出場がない。開幕前に故障した山口はすでに復帰しているが、2試合で2イニングを投げ防御率13.50と本調子ではない。一方のアドゥワは昨年10月に右肘を手術しており、回復を待っている段階。すぐの一軍登板は難しそうだ。
野手では韮澤 雄也に期待が集まる。ここまで二軍では50試合の出場で打率.242(161打数39安打)、1本塁打、8打点の成績と圧倒的ではないが、高卒2年目とまだ若い。近年の広島は小園 海斗や林 晃汰、羽月 隆太郎を早い段階で一軍での経験を積ませてきた。このまま結果を残すことができれば一軍昇格の可能性はありそうだ。
2012年のドラ1である髙橋 大樹も一軍から声がかからない。二軍でも39試合の出場で打率.215(93打数20安打)、2本塁打、16打点と苦しんでいる。2019年には一軍で27試合に出場しプロ初本塁打を記録したものの、昨シーズンは14試合の出場にとどまった。9年目の27歳と、もう若手と呼ばれる存在ではない。わかりやすい結果を出し一軍昇格をつかみ取りたいところ。
3連覇に貢献した今村や岡田といった投手陣。野手では高卒2年目の韮澤や年齢的には中堅に差し掛かってきた高橋らのアピールに期待したい。
【広島の前半戦一軍未出場選手】
<投手>
今村 猛(清峰高→2009年1位)
岡田 明丈(大商大高→大商大→2015年1位)
一岡 竜司(藤蔭高→沖データコンピュータ教育学院→2011年3位)※ドラフト指名は巨人
山口 翔(熊本工→2017年2位)
アドゥワ 誠(松山聖陵高→2016年5位)
鈴木 寛人(霞ヶ浦高→2019年3位)
小林 樹斗(智弁和歌山高→2020年4位)
田中 法彦(菰野高→2018年5位)
中村 恭平(立正大淞南高→富士大→2010年2位)
行木 俊(横芝敬愛高→四国IL徳島→2020年5位)
スコット
<野手>
白濱 裕太(広陵高→2003年1巡)
桒原 樹(常葉学園菊川高→2014年5位)
髙橋 大樹(龍谷大平安高→2012年1位)
韮澤 雄也(花咲徳栄高→2019年4位)
中神 拓都(市立岐阜商→2018年4位)
永井 敦士(二松学舎大付高→2017年4位)
※数字は2021年7月23日終了時点
(文=勝田 聡)