第103回全国高等学校野球選手権愛媛大会開会式 2年ぶりに「野球王国えひめ」に愛顔戻る
開会式で選手宣誓を行う八幡浜・山本 宙(3年主将・二塁手) 写真提供:フィールドスポーツ出版<EPS>
「第103回全国高等学校野球選手権愛媛大会」開会式が7月10日(土)11時より愛媛県松山市の[stadium]坊っちゃんスタジアム[/stadium]で行われた。
一連の新型コロナウイルス感染拡大防止策のため、近年恒例となっていた吹奏楽部によるバックスクリーンからの生ファンファーレや生演奏はなく、入場行進の隊列も3列から2列で声掛けも自粛となった今大会の開会式。それでも昨年の3年生たちの想いが細かい雨となって降り注ぐ中、愛媛の球児たちは松山北・齋藤 大地選手(3年)の先導に導かれ、一歩一歩踏みしめながら前に進んだ。
そして大会会長の忽那 浩・愛媛県高等学校野球連盟会長のあいさつや、第101回全国高等学校野球選手権愛媛大会の覇者・宇和島東の氏原 幸之介主将(3年・一塁手)による2年越しとなる優勝旗返還が行われた後、八幡浜・山本 宙(3年主将・二塁手・168センチ68キロ・西予市立三瓶中出身)が選手宣誓。「2週間前からまず自分、次に3年生部員中心で考えて、監督・部長さんにもチェックして頂いて、前日には全校生徒の前で披露した」明朗かつ想いの入った宣誓に、スタンドからは球場の屋根に反響する大拍手が起こった。
なお、同大会は同10日(土)より新型コロナウイルス感染拡大防止策を施し、[stadium]坊っちゃんスタジアム[/stadium]・愛媛県西条市の[stadium]西条ひうち球場[/stadium]・愛媛県今治市の[stadium]今治市営球場[/stadium]は5,000人、愛媛県宇和島市の[stadium]宇和島市営丸山公園野球場[/stadium]では2,000人の入場上限を設けた上で有観客で開催。決勝戦は7月26日(月)10時から[stadium]坊っちゃんスタジアム[/stadium]でプレーボール予定。55試合の全てに愛顔があふれることを心より祈りたい。
(全ての写真提供:フィールドスポーツ出版<EPS>)
<選手宣誓原稿全文>
宣誓
昨年1月、日本で初めての新型コロナウイルスの感染者が確認されました。
その後 感染は広がり 私たちの住むこの愛媛県にも感染が拡大していきました。
当たり前の日常が姿を消し、困難な日々の連続でした。
そして、昨年の先輩方は、高校球児の晴れの舞台である甲子園出場のチャンスすら 与えられませんでした。
今年に入ってからも対外試合の禁止や練習時間の短縮など、困難な日々は続きました。
しかし、チームメイトと助け合い「今できること」は何か考え、毎日の練習を重ね、困難を乗り越えてきました。
そのような中、多くの方々のご尽力により、私たちは今ここに立っています。
昨年の先輩方の涙を目の当たりにした あの日を思うと、
私たちは甲子園を目指し戦えることに感謝の思いでいっぱいです。
今日という日を迎え、私たちに「今できること」、
それは最後の瞬間まで諦めず、全力でプレーすることです。
そして、私たち愛媛の高校球児によって、
2年ぶりに開催される全国高等学校野球選手権愛媛大会を、
多くの感動や勇気、
そして夢を与えられる大会にすることを誓います。
令和3年7月10日
選手代表
愛媛県立八幡浜高等学校
野球部 主将
山本 宙
(記事:寺下 友徳)