ノーシード早稲田実業 2戦目には強豪・佼成学園と激突
早稲田実・多湖 巧
注目スラッガー・清宮 福太郎を擁する早稲田実。初戦は13日の大成と都立田無工の勝者と対戦することが決定。2017年の選抜から離れている甲子園の舞台へ。そして名門校の威信にかけて、甲子園への第一歩を踏み出す。
しかし、夏の頂点への道のりは厳しく険しい。秋はベスト8に入ったものの、春は1回戦で国学院久我山の前に敗退。この夏はノーシードに回る結果となっている。つまり、西東京大会で7連勝を飾らなければ、全国の扉は開かないことになったのだ。
この厳しい道のりを駆け抜けるべく、抽選会には清宮主将の姿はなく、代わりにチームを代表してマネージャーを務める多湖 巧が出席してくじを引いた。
取材時点では、まだ対戦相手が決まっていなかったが「どことやりたいというのはありません」という多湖マネージャーは、春の大会が終わってから、チームメイトの目の色が変わってきたと話す。
「1回戦負けというふがいない結果に終わり、全員が『このままではまずい』と危機感を持つようになりました。敗戦を糧に、夏に向けて練習をしてきたと思います」
夏の大会で勝ち抜くため、チームが重点的に強化したのがバッティング。速球でも変化球でも捉えるような対応力を磨きながら、打線として繋がりを作ることに課題を据えてきたという。
↑第3シード:國學院久我山、第4シード:佼成学園
早稲田実は2回戦からの登場で2戦目の3回戦では第4シード・佼成学園が待ち受ける。
新型コロナウイルスの影響でチームは5月中、1日2時間、ないし3時間の制限なかで練習。紅白戦などで実践練習をしながら、6月に入り練習試合を本格的に組めるようになってきた。そのなかで「相手の駆け引きの中で、自分たちのやれることをやろう」とする意識がこれまで以上に強くなってきたと感じている。
チームの中に一体感が生まれてきた早稲田実だが、そこには春の大会で1回戦敗退で姿を消した悔しさだけではなく、今年のスローガンも関係していた。
「今年のスローガンは『in our way』というのを全員で掲げました。全員が同じ方向に、同じ意識を持って一緒に前へ進む意識を持って、ここまでチーム全体で頑張ってやってきました」
全員で決めたスローガンのもと、一丸となって一歩一歩前へ進み続けた先には、聖地・甲子園が待っているはずだ。早稲田実の夏の大会での躍進を楽しみにしたい。
(記事:田中 裕毅)