ヤクルト新人の現在地 4位・元山がルーキー最多出場中
元山飛優(佐久長聖高→東北福祉大)
セ・パ交流戦がほぼ終了し各チームとも65試合ほどを消化した。もう少しでシーズンの折返しとなるこの時期までに、多くの新人選手たちが一軍デビューを飾っている。佐藤 輝明(阪神)や早川 隆久(楽天)に目が行くが、その他の選手たちはどのような状況なのだろうか。各チームの新人選手たちのここまでを振り返ってみたい。
セ・パ交流戦を終えて2位タイと好位置に付けているヤクルトは2020年の支配下ドラフトで6名の選手を指名した。そのなかで一軍デビューを果たしているのは、山野 太一(高川学園高→東北福祉大/2位)、内山 壮真(星稜高/3位)、元山 飛優(佐久長聖高→東北福祉大/4位)、並木 秀尊(市川口高→獨協大/5位)の4人になる。
そのなかでもっとも出場機会を得ているのは元山だ。ここまで43試合に出場し打率.230(87打数20安打)とまずまずの数字を残している。ここまでの遊撃手におけるスタメン起用回数は、西浦 直亨(37試合)のほうが元山(24試合)より多い。しかし6月に入ってからは元山が12試合中10試合でスタメン起用されている。今後、高津 臣吾監督がどのように起用していくのか注目が集まる。
同じ大卒ルーキーの並木は足のスペシャリストとして4月3日に一軍昇格を果たした。5月24日に登録を抹消されるまでに代走をメインとした途中出場で27試合に出場。4つの盗塁を決め、盗塁失敗は0だ。
内山は高卒の捕手ながらすでに一軍で6試合に出場。まだ初安打生まれていないものの四球を選び初出塁は勝ち取った。また、すべて代打での出場となっておりマスクはかぶっていない。一方の二軍では打率.260(104打数27安打)もさることながら、チームトップの4本塁打とパワーもある。ポジション的な問題もあり、早期の一軍定着は難しいかもしれないが非常に楽しみな存在だ。
投手陣で唯一となる一軍出場を果たした山野だが、デビュー戦では2回途中7失点の大炎上。黒星はついていないもののほろ苦い初登板となった。その後は二軍で1試合に投げたが4月14日を最後に公式戦での登板はない。
ドラフト1位の木澤は二軍で調整中。先発、中継ぎ両役割で起用されているが、現時点では防御率6点台と結果が出ていない。嘉手苅は3試合の登板で3.1回を投げ、与四球8と制球面で苦しんでいる。
今シーズン残り80試合ほどで木澤は一軍のマウンドに登ることができるだろうか。ドラ1右腕の成長を楽しみに待ちたい。
<2020年ドラフト指名選手>
1位:木澤 尚文(慶応高→慶応大)
[一軍]出場なし
[二軍]11試合(28.1回) 0勝4敗 防御率6.35
2位:山野 太一(高川学園高→東北福祉大)
[一軍]1試合(1.1回) 0勝0敗 防御率47.25
[二軍]1試合(4回) 0勝0敗 防御率4.50
3位:内山 壮真(星稜高)
[一軍]6試合 打率.000(5打数0安打) 0本塁打 0打点
[二軍]34試合 打率.260(104打数27安打) 4本塁打 14打点
4位:元山 飛優(佐久長聖高→東北福祉大)
[一軍]43試合 打率.230(87打数20安打) 2本塁打 13打点
[二軍]8試合 打率.296(27打数8安打) 0本塁打 0打点
5位:並木 秀尊(市川口高)
[一軍]27試合 打率.250(4打数1安打) 0本塁打 2打点
[二軍]24試合 打率.200(60打数12安打) 0本塁打 3打点
6位:嘉手苅 浩太(日本航空石川高)
[一軍]出場なし
[二軍]3試合(3.1回) 0勝0敗 防御率16.20
※数字は2021年6月13日終了時点
(記事:勝田 聡)