ブレイク中の宮城大弥 高卒2年目の新人王獲得は25年前
オリックス・宮城大弥(興南出身)
オリックスの宮城 大弥が好投を続けている。ここまで9試合の登板で5勝1敗、防御率2.43。59.1回を投げ奪三振は60個を数える。急性胃腸炎で一時離脱したもののすでに復帰しており、山本 由伸や山岡 泰輔らとともに強力な先発ローテーションの一角を支えてきた。
そんな宮城は2019年のドラフトで1位指名を受け興南高から入団した高卒2年目の左腕。ルーキーイヤーだった2020年の投球回数は16回となっており、今シーズンも新人王資格を有している。
すでに7勝を挙げている早川 隆久(楽天)や奪三振率10.35で規定投球回を超えている投手ではリーグトップの伊藤 大海(日本ハム)といった大卒のルーキーたちと争いを繰り広げることになりそうだ。
調べてみると高卒2年目の投手による新人王は久しく出ていない。直近では1995年の平井 正史(宇和島東高→オリックス)となっており、25年間不在だった。その前は1974年の三井 雅治(半田商→ロッテ)で19年も空いていた。パ・リーグではこの2名しか達成していない。
また平井と三井の両選手とも先発型ではなく、中継ぎがメインの起用だった。平井は53試合(85.1)に登板しているが先発は1試合もなかった。それでも15勝5敗27セーブと奮闘し最高勝率と最優秀球宴のタイトルも獲得している。三井は31試合(85.2回)の登板中先発したのは7試合のみ。
セ・リーグを含めても高卒2年目の投手で新人王を受賞したのは、1983年の槙原 寛己(大府高→巨人)と1951年の松田 清(中野高→巨人)の2人だけ。この2人は先発型で規定投球回に到達した。松田に至っては23勝3敗、防御率2.01と圧倒的な成績を残した。松田は新人王を受賞した1951年に19連勝を記録。田中 将大(楽天)が2013年に24連勝するまで1シーズンの連勝記録を保持していたことでも知られている。
はたして宮城は高卒2年目の投手としては史上5人目、さらに先発型としてはパ・リーグ初の新人王を受賞できるだろうか。今後も若き左腕の登板が楽しみだ。
【高卒2年目投手の新人王】
<セ・リーグ>
松田 清(1951年/中野高→巨人)
槙原 寛己(1983年/大府高→巨人)
<パ・リーグ>
三井 雅治(1974年/半田商→ロッテ)
平井 正史(1995年/宇和島東高→オリックス)
※数字は2021年6月6日終了時点
(記事:勝田 聡)