夏の高校野球運営委員会 甲子園練習の中止などが決定
今夏の第103回全国高校野球選手権大会の臨時運営委員会(八田英二委員長)が2日にオンライン形式で開かれ、新型コロナウイルスの感染防止対策の一環から現時点で決めるべきこととして、全国大会について下記4点が決まった。
・甲子園練習の中止
・ドリームシートの中止
・アルプススタンドの入場については学校関係者のみとする
・組み合わせ抽選会はフェスティバルホールで実施せず。オンラインでの開催などを検討する
甲子園練習の中止に関しては、代表校の関西入りを遅らせ、宿舎での合宿生活をできる限り短くすることが目的。フェスティバルホールでの抽選会は全代表校の選手が同じホールに入るため、同じ空間での接触の機会を避けるための措置となった。地方大会の日程が順調の消化された場合、代表校は8月2日の東西・東京大会で出そろう予定。主催者側は8月3日か4日にオンライン形式での抽選会を実施したい意向だ。
アルプススタンドの学校関係者のみ入場は今春のセンバツ大会でも実施されている。学校関係者のみにすることで、代表校の生徒と一般観客の接触機会を減らすことが目的。
ドリームシートは、変異型ウイルスが流行する中で、子供たちが密集する場をなくすことで、感染リスクを少なくすることが目的となる。現段階では有観客を想定しての準備が進められているが、状況を見極めながら判断するとしている。
また、地方大会での感染防止対策ガイドラインも定められ、代表校が地方大会終了後から全国大会までに感染者、感染が疑われる者が発生した際の対応も決まった。
地方大会終了後から全国大会までに代表校から感染者、感染が疑われる者が発生した場合は可能な限り選手変更などで対応し、万が一全国大会にチームとして出場できなくなった場合は、代表校の差し替え(準優勝校など)はしないことが決まった。
代表校の差し替えは2005年の高知大会で不祥事により代表校が辞退し、準優勝校が出場したケースがあるが、これは新型コロナウイルス感染対策として設けられた今回のガイドラインとは別の認識になる。
代表校の選手が感染した例としては、1962年に春夏連覇を目指した作新学院のエース・八木沢荘六投手(元プロ野球選手)が甲子園開会式当日に赤痢と判明し隔離。準々決勝からベンチ入りに復帰した例がある。当時は大阪でコレラ騒ぎがあり、主催者側は出場全選手に予防接種を義務付けていた。作新学院は加藤斌投手の好投で春夏連覇を達成している。
なお、今春のセンバツでは大会前と1回戦後にPCR検査を実施し、チーム関係者全員が陰性と診断されている。