高校通算52本塁打の杉崎成(東海大菅生-明治大)が本塁打デビュー。入寮前に語った2人のライバル
杉崎成
慶応義塾大学の優勝で幕を下ろした東京六大学の春季リーグ戦。優勝した慶應義塾大学は、6月からの全日本大学選手権に挑むわけだが、31日から東京六大学はフレッシュリーグを開幕させた。
各大学の1、2年生を対象に3チームごとのブロックを2つ作り、総当たりを行った後、順位決定戦を行う今大会。秋季リーグ戦出場のためにも各選手がアピールをし始めた中で、まず存在感を発揮できたのは、明治大学の杉崎 成(東海大菅生出身)ではないだろうか。
立教大学との一戦で、3番・ファーストでスタメン出場を果たすと、8回に立教大学の4番手・石元 悠太郎(佼成学園出身)からホームランを放ち逆転。チームを勝利に導く一打を放って見せた。
明治大学は、この春から積極的に1年生を起用した。広島広陵の宗山 塁を筆頭にベンチ入り。さらには試合にも出場し、未来の明治大学の主力選手として注目を浴びた。その4選手に遅れをとる形とはなったものの、この一発で杉崎の存在も首脳陣の目に留まったのではないだろうか。
東海大菅生時代から木製バットで快音を響かせ続けており、高校時代から既に木製バットへの対応が十分できていた杉崎。新型コロナウイルスの影響で、入寮が例年よりも先送りになり、大学の練習に参加できない期間も、高校の練習に参加。大学野球への準備を怠っていなかった。
その際、杉崎は「大学は投手のレベルが上がると思うので、一番タイミングが取りやすいフォームとして、中学の時に戻しています」と原点に立ち返ったフォームで調整していたことを明かす。同時に練習時間が確保できたことで、トレーニングを行い、ケガをしにくい身体づくりにも注力してきた。結果、体重は1キロ増だったが体脂肪を減らすことができ、打球の飛距離が変わってきたことに手ごたえを感じていた。
そんな杉崎は、投手と野手それぞれ1人ずつライバルの存在が刺激を与えていることを語った。まずは野手ではプロに行った同じ東京のスラッガーの名前だった。
「秋広(優人)は刺激をもらっています。練習試合も良くやっていて1年生から知っているので単純に凄いなぁと。けど大学で経験積んでプロに行ければと思いますので、焦りはないですし、負けられないなと思っています」
そして、投手からは同じ東京六大学の法政大学に進んだ右腕の名を挙げた。
「投手だと、木更津総合出身の篠木 健太郎くんです。独自大会の前に練習試合をした際に対戦できるチャンスがあったのですが、怪我していて対戦ができなくて。ただチームメイトは「凄い」と言っていたので、対決してみたいです」
秋広との再会は4年後となりそうだが、篠木とは早ければ、このフレッシュリーグで対戦が実現するかもしれない。実現した際は、どういった対決となるのか楽しみではあるが、最後に東京六大学への意気込みとして、杉崎はタイトル獲得へ意欲を見せた。
「ホームランだけにこだわらずに、打率や打点もしっかり残して、打撃タイトルを取りたいと思います。そのためにも、選手それぞれの考え方があると思うので、少しでも取り入れていければと思います」
フレッシュリーグではあるものの、まずはホームランでアピールした杉崎。明治大学のスーパー1年生は春季リーグ戦に出場した4選手だけではないことを、バットで証明し続けて欲しいところだ。
(記事:田中 裕毅)