帝京出身の郡、王 柏融など日ハム浮上に欠かせない新戦力
高校時代の郡 拓也(帝京)
今シーズンも新戦力が躍動している。なにも新戦力というのは、佐藤 輝明(阪神)や早川 隆久(楽天)といった新人、梶谷 隆幸(巨人)や近藤 弘樹(ヤクルト)といった移籍選手、そしてオスナ(ヤクルト)やスモーク(巨人)といった新外国人だけではない。
昨シーズンまでは一軍での戦力となっていなかったが、今シーズンに入ってからブレイクしつつある選手も複数いる。
2年連続の5位から巻き返しを狙う日本ハムは、今シーズンもここまでは最下位と苦しい戦いを強いられている。西川 遥輝や中島 卓也といた主力選手たちが新型コロナウイルスの影響で一時離脱。すでに一部の選手たちは復帰しているものの、万全なオーダーとはいいがたい。また主砲の中田 翔も不振を極め登録を抹消されている。
その中田に代わって4番を務めているのが王 柏融だ。ポスティング制度を用いて2019年シーズンから日本ハムに加わった台湾のスーパースター。昨シーズンまでは故障もあり、戦力として期待された成績を残すことができていなかった。
しかし今シーズンは4月27日に一軍登録されると、初出場となった4月29日のソフトバンク戦で2安打を記録する。その後、5月7日の楽天戦からは3試合連続でマルチ安打と加速し調子を上がると5月15日からは4番として出場。その試合でさっそく本塁打を記録した。
ここまで16試合の出場ですでに本塁打はキャリアハイの3本となり、8打点は昨シーズンの9打点(52試合)に肉薄。ここ2年間のうっぷんを晴らすかのような活躍で中田の穴を埋めた。
そして郡 拓也。郡は2016年ドラフト7位で指名され帝京高から入団した捕手だ。昨年までは一軍で通算12試合の出場にとどまり、わずか1安打と結果は出ていなかった。
しかし今年は捕手登録だが一塁、三塁でも起用され、すでに出場試合数は13試合となっておりキャリアハイを超えた。新型コロナウイルスの影響で離脱したもののすでにスタメンに復帰している。
捕手登録ながら打撃でその他のポジションを掴み取りつつあるのは、チームの先輩でもある近藤 健介と同じ。また球界を見渡すと栗原 陵矢(ソフトバンク)も捕手登録ながら左翼や一塁でスタメン出場を続けており珍しいことではない。
今シーズン結果を残すことができれば、チャンスは大きく広がるはずだ。
<今シーズン成績>
王 柏融(日本ハム)
16試合 打率.280(50打数14安打) 3本塁打 8打点 0盗塁
郡 拓也(日本ハム)
13試合 打率.262(42打数11安打) 0本塁打 3打点 0盗塁
2021年5月22日終了時点
(記事:勝田聡)