移籍2年目で今季3本塁打の香月一也が見せるブレキクの兆し
高校時代の香月一也(大阪桐蔭)
今シーズンも新戦力が躍動している。なにも新戦力というのは、佐藤 輝明(阪神)や早川隆久(楽天)といった新人、梶谷隆幸(巨人)や近藤 弘樹(ヤクルト)といった移籍選手、そしてオスナ(ヤクルト)やスモーク(巨人)といった新外国人だけではない。
昨シーズンまでは一軍での戦力となっていなかったが、今シーズンに入ってからブレイクしつつある選手も複数いる。在籍2年目以降の”新戦力”を各球団ごとに紹介したい。
首位の阪神を4.5ゲーム差で追いかける巨人は故障者が続出している。現在エースの菅野 智之と主将の坂本 勇人が登録抹消中。その他にも大砲候補として期待されたテームズがアキレス腱断裂の大怪我を負い、今シーズン中の復帰はかなり難しい状況だ。
そのなかでも投手・野手ともにこれまでは戦力となれていなかった選手が結果を残している。投手では移籍4年目の野上 亮磨が復活した。野上は2017年オフにFA権を行使して西武から巨人へと移籍。2018年こそ25試合に登板したものの、その後はアキレス腱の断裂もあり昨シーズンの一軍登板は0に終わった。移籍後はほぼ戦力となっていなかったと言っていい。
しかし、今シーズンはここまで8試合(先発1試合)に登板。回跨ぎ、ロングリリーフなど起用法は様々だが、ここまで中継ぎ登板で失点したのは1試合のみ。それもロングリリーフとして3回を投げた試合だけ。それ以外の登板では見事な投球で、防御率1.65と好結果を残し奮闘している。移籍後は結果を残せず昨シーズンは一軍で登板がなかったことを考えれば、巨人としては”新戦力”に近いものがある。
野手では香月 一也も面白い存在だ。香月は2014年ドラフト5位で指名され大阪桐蔭高からロッテへと入団した内野手。昨シーズン途中にトレードで巨人へとやってきた。
昨シーズンは一軍で8試合の出場でノーヒットに終わったが、今シーズンはここまで18試合に出場。打率.256(39打数10安打)と高打率とは言えないが、3本塁打を記録しOPS.905と結果を残している。一塁、二塁、三塁と複数のポジションを守れる強みもあり、坂本が不在の内野レギュラー争いに名乗りを上げた。
セ・リーグ3連覇を目指すためには、レギュラー陣以外の選手の底上げが必要不可欠となる。野上、香月といった移籍加入後、これまでは戦力となっていなかった選手が力になればチーム力は大きく上がる。
<今シーズン成績>
野上 亮磨(巨人)
8試合 0勝1敗1S4H 16.1回 奪三振15 防御率1.65
香月 一也(巨人)
18試合 打率.256(39打数10安打) 3本 6打点 0盗塁
(記事:勝田 聡)