満塁弾の根尾など頭角を現す中日の若手陣
根尾 昂(大阪桐蔭出身)
今シーズンも新戦力が躍動している。なにも新戦力というのは、佐藤 輝明(阪神)や早川 隆久(楽天)といった新人、梶谷 隆幸(巨人)や近藤 弘樹(ヤクルト)といった移籍選手、そしてオスナ(ヤクルト)やスモーク(巨人)といった新外国人だけではない。
昨シーズンまでは一軍での戦力となっていなかったが、今シーズンに入ってからブレイクしつつある選手も複数いる。在籍2年目以降の”新戦力”を各球団ごとに紹介したい。
昨シーズンの3位以上を狙う中日は根尾 昂が開幕から一軍で起用され続けている。2018年ドラフト1位で指名され大阪桐蔭高から入団した根尾は、開幕戦で「8番・左翼」で先発出場を果たすと第1打席で安打を放つ幸先良いスタートを切った。その後も二軍へ降格することなく一軍に帯同し、38試合終了時点で28試合に先発出場と”ほぼ”レギュラーの扱いを受けている。
ここまで打率.200(90打数18安打)、1本塁打、11打点と打撃面で苦しんでいるのはたしか。しかし5月4日のDeNA戦ではバンテリンドームでプロ初本塁打となる満塁弾を放つなど調子は上向き。5月に入ってからは8試合の出場で、打率.292(24打数7安打)、1本塁打、4打点と結果が伴いつつある。
入団当初に想定されていた遊撃手を含む内野での出場機会は、途中交代を含め1試合もないが、外野は3ポジション全てについた。まずは一軍で出場機会を確保し、その後、打撃面でさらなるアピールができれば起用法の幅も大きく広がってくる。
根尾の一学年上にあたる高松 渡も奮闘している。2017年ドラフト3位で指名され、滝川二高から中日へと入団した高松も根尾と同じく開幕一軍を勝ち取った。ここまで出場19試合中スタメンでの起用は7試合あるが、代走での起用が多い。その数はチームトップとなる12試合。4月22日のDeNA戦では相手の失策を見逃さず、「神走塁」と称される足を見せた。守備、打撃ではまだまだ改善の余地はあるものの、その俊足はチームの武器となっている。
根尾、高松といった若い選手たちがレギュラーを掴むことができるか、今後もその起用法に注目が集まる。
<2021年シーズン成績>
根尾 昂(中日)
30試合 打率.200(90打数18安打) 1本 11打点 0盗塁
高松 渡(中日)
19試合 打率.211(19打数4安打) 0本 1打点 3盗塁
※数字は2021年5月13日終了時点
(記事:勝田 聡)