プロ注目・正木智也(慶應義塾)に現役最多通算8号!慶応大が5連勝
正木智也(慶応義塾大学)
無観客のなか、学生野球の聖地・[stadium]神宮球場[/stadium]では東京六大学野球の春季リーグ戦は続く。大型連休の3日も慶応義塾大学と東京大学が激突。試合は11対6で慶応義塾大学が快勝し5連勝を飾った。ここに大きく貢献したのが主砲・正木 智也(慶應義塾出身)だ。
3対1の慶應義塾大学リードで迎えた5回、無死一、二塁で4番・正木にこの試合3打席目が回る。「正木に任せるつもりで、『何とかしてくれ』と思いながら送り出しました」という堀井監督の期待に応えるように、正木は2ボール2ストライクからのカットボールを捉えた。
打球はぐんぐん伸びていき、そのまま無人のレフトスタンドへ。自身リーグ戦8本目、そして試合の情勢を決めるホームランで6対1とした。
堀井監督も「あれで流れが変わりました」と主砲の一発に感謝の言葉を述べた。打った正木も「良いホームランだったと思います」と納得の一打だった。
正木の中では、追い込まれていたこともあり、「何とかバットに当てて食らいついていこう」と意識。フルスイングはせずに、確実にミートさせるように対応していた。
たしかにフォームを見ても体勢を崩しており、軽く振ってボールに合わせたようなバッティングに見える。それでも打球はフェンスを越えている。この結果について正木はこう分析した。
「打ったのはインコースのカットボールでしたが、芯で捉えることが出来たので、飛距離が出せました。あと、ヘッドを綺麗に返せたので飛ばせたんだと思います。理想的なスイングでした」
冬場の取材でボールを飛ばすコツとして、バットのヘッドの重さを利用することを挙げていた。これは、世田谷西シニア時代に教わったこと。また、大学1年生の冬に、木製バットは芯で捉えれば金属以上に打球は飛ぶことに気づいたとも話していた。この2つの感覚をつかんでいたから、軽く振ったように見えても、ヘッドの重みと芯に捉えているから柵越えすることができたのだ。
リーグ戦も折り返しに入ったが、ここから何本のアーチを描くか。東京六大学が誇るスラッガーの今後に期待したい。
(記事:田中裕毅)