初大役の山本由伸 開幕9連敗を止めることができるか?
今季開幕投手を務める山本 由伸(都城出身)
3月26日の開幕戦まであとわずかに迫った。すでに各球団の監督は開幕投手を発表しており、その指名されたエース格の投手たちは大一番に向けて準備を進めている。
現在、発表されている12名の顔ぶれを見ると高卒出身が6名、大卒出身が6名となっており社会人出身はひとりもいない。開幕投手はローテーションや相性、故障の影響などもあるとはいえ、多くの場合、球団の顔とも呼べる投手が登板する。
社会人出身の投手は少ないのか、それともたまたまなのか。開幕投手たちの経歴を楽天が新規参入した2005年以降で球団ごとに調べてみた。
オリックスは2010年に白星を挙げたのを最後に開幕戦で勝ち星がなく9連敗中(2011年は引き分け)。そんな中、中嶋聡監督は今年の開幕投手を山本 由伸(都城高)に託した。生え抜きの高卒選手が大役を務めるのは、2018年の西 勇輝(菰野高)以来3年ぶりのことである。山本が白星を挙げれば、生え抜きの高卒選手では1996年の星野 伸之(旭川工高)以来25年ぶりとなる。
オリックスにとって最後の開幕戦勝利となっている2010年は、金子 千尋(現日本ハム)が開幕投手を務めた。その金子は長野商高からトヨタ自動車を経てオリックスに入団した社会人出身の選手。オリックスでは社会人出身の開幕投手が多く、その他にも川越 英隆(学法石川高→青山学院大→トヨタ自動車)、小松 聖(勿来工→国士舘大→JR九州)、山岡泰輔(瀬戸内高→東京ガス)と3人が開幕投手を務めている。
一方で大卒出身の選手は、2011年の木佐 貫洋(川内高→亜細亜大)ただひとり。しかし、この木佐貫は巨人からトレードで加入しており、生え抜きではない。生え抜きの大卒選手で開幕投手を任されたのは、2000年の小林 宏(崇徳高→広島経済大)が最後。21世紀以降はひとりも務めていないのである。
オリックスでは珍しい高卒の開幕投手となった山本は、チームの開幕戦の連敗を9で止めることができるだろうか。
<オリックスの開幕投手>
※2021年は予定
※2005年以降
2021年:山本 由伸(都城高)
2020年:山岡 泰輔(瀬戸内高→東京ガス)
2019年:山岡 泰輔(瀬戸内高→東京ガス)
2018年:西 勇輝(菰野高)
2017年:金子 千尋(長野商→トヨタ自動車)
2016年:金子 千尋(長野商→トヨタ自動車)
2015年:ディクソン
2014年:金子 千尋(長野商→トヨタ自動車)
2013年:金子 千尋(長野商→トヨタ自動車)
2012年:フィガロ
2011年:木佐貫 洋(川内高→亜細亜大)※巨人より移籍
2010年:金子 千尋(長野商→トヨタ自動車)
2009年:小松 聖(勿来工→国士舘大→JR九州)
2008年:金子 千尋(長野商→トヨタ自動車)
2007年:川越 英隆(学法石川高→青山学院大→トヨタ自動車)
2006年:川越 英隆(学法石川高→青山学院大→トヨタ自動車)
2005年:川越 英隆(学法石川高→青山学院大→トヨタ自動車)
(記事:勝田 聡)
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