
古谷 優人(江陵出身)
今年で高校を卒業して5年目を迎える98年世代の選手たち。高卒5年目といえば、大学に進学した選手たちがプロの世界に飛び込んでくる年でもある。今シーズンの大卒ルーキーといえば、阪神の佐藤 輝明や、東北楽天の早川 隆久らが注目を浴びるが、高卒入団組にもオリックス・山本 由伸や埼玉西武の今井 達也ら錚々たるメンツが揃う。
本記事では各球団の98年世代の選手たちをピックアップし、その現在地を見ていこう。今回は、昨シーズンパ・リーグ1位の福岡ソフトバンクホークスだ。
大卒組は全員が育成入団
現在、福岡ソフトバンクホークスに在籍する98年世代の選手は以下の通り。
▼高卒5年目(2016年ドラフト)
古谷 優人(江陵・2位)
4試合 0勝0敗 5.2回 9奪三振 防御率3.18
九鬼 隆平(秀岳館・3位)
7試合 打率.167(6打数1安打) 1本塁打 1打点 0盗塁
三森 大貴(青森山田・4位)
48試合 打率.187(91打数17安打) 0本塁打 3打点 4盗塁
佐藤 直樹(報徳学園・JR西日本・1位)※2019年ドラフト
一軍公式戦出場なし
▼大卒1年目(2020年ドラフト)
佐藤 宏樹(大館鳳鳴・慶應義塾大・育成1位)
中道 佑哉(八戸学院野辺地西・八戸学院大・育成2位)
緒方 理貢(京都外大西・駒澤大・育成5位)
中村 亮太(千葉経大附・東京農業大北海道オホーツク・育成8位)
▼外国人
アンディ・ロドリゲス(マニュエルファハルドキューバ国立体育大・インドゥストリアレス・育成)
高卒入団の3選手は、いずれも一軍公式戦出場を果たしている。2位の古谷 優人は、3年目に三軍戦で日本人左腕最速の160キロを計測。4年目に一軍デビューし5.2回・9奪三振と高い潜在能力を見せた。3位の九鬼 隆平は、3年目に二軍の正捕手を掴むと、その年に一軍デビュー。4年目には初スタメンの試合で初安打となるホームランも放った。今シーズンは1試合でも多くの一軍公式戦に出場したいところだ。
3人の中で最も多くの出場を誇るのが、三森 大貴だ。3、4年目と続けて24試合に出場し、存在感を示しつつある。昨シーズンはウエスタン・リーグで首位打者にも輝き、結婚も発表。5年目の飛躍に期待がかかる。巨大戦力を誇る福岡ソフトバンクだけに、3選手とも出場数は多くない。しかしその中でも着実に成長を見せていると言えるだろう。
高卒3年目でJR西日本からドラフト1位で入団した佐藤 直樹は、一軍デビューこそなかったが、ファームではウエスタン・リーグ盗塁王に輝くなど、そのスピードを発揮。今シーズンの一軍デビューが待たれる。
大卒では慶應義塾大の151キロ左腕・佐藤 宏樹ら4人が入団。おどろくべきことに、全員が育成指名だった。ドラフト前にトミー・ジョン手術を受けた佐藤は来シーズン以降の実戦復帰となるが、それでも育成から千賀 滉大、石川 柊太らを育てた福岡ソフトバンクならと期待してしまう。
新外国人のアンディ・ロドリゲスも、外国人選手ではあるが同じ98年世代。2019年のプレミア12ではキューバ代表としてもプレーしており、育成ながら期待値は高い。第二のモイネロとなれるか。
(記事=林 龍也)