藤浪抜擢の阪神 開幕投手の生え抜き高卒は何年ぶり?
9年目にして開幕投手を務める藤浪晋太郎(大阪桐蔭高出身)
3月26日の開幕戦まであとわずかに迫った。すでに各球団の監督は開幕投手を発表しており、その指名されたエース格の投手たちは大一番に向けて準備を進めている。
現在、発表されている12名の顔ぶれを見ると高卒出身が6名、大卒出身が6名となっており社会人出身はひとりもいない。開幕投手はローテーションや相性、故障の影響などもあるとはいえ、多くの場合、球団の顔とも呼べる投手が登板する。
社会人出身の投手は少ないのか、それともたまたまなのか。開幕投手たちの経歴を楽天が新規参入した2005年以降で球団ごとに調べてみた。
阪神は藤浪 晋太郎(大阪桐蔭高)が9年目にして初の大役を任された。本命の西 勇輝はぜんそくの症状がでたことで春季キャンプから離脱。すでに実戦には復帰しオープン戦での登板もあるが、開幕戦は回避している。
藤浪は入団から3年連続で2桁勝利をマークしたものの、ここ数年は低迷している。昨シーズンも24試合(先発11試合)の登板で1勝6敗、7ホールド、防御率4.01の内容だった。しかしこのオープン戦では3試合(13回)の登板で防御率2.77とまずまずの内容。開幕投手にふさわしい成績を残している。
さて、そんな阪神の開幕投手を振り返ってみると、藤浪と同じ生え抜きの高卒が開幕投手を務めるのは、2006年の井川 慶(水戸商)以来15年ぶりのこととなる。それ以降はひとりもいない。
また、2005年以降では生え抜きの大卒投手による開幕投手も不在。こちらは1992年の葛西 稔(東北高→法政大)以来、28年も誕生していないのである。
生え抜きの社会人出身者では、安藤 優也(大分雄城台高→法政大→トヨタ自動車)と能見篤史(鳥取城北高→大阪ガス)のふたりが大役を務めている。他球団より移籍してきた選手では、昨年の西(オリックスより移籍)下柳 剛(日本ハムより移籍/瓊浦高→八幡大(中退)→新日鉄君津)とふたりが開幕投手を任された。
外国人投手ではメッセンジャーが2015年から2019年の5年連続を含む6度の開幕投手を務めた。5年連続での開幕投手は、井川と並んで球団最長タイの記録でもある。
球団にとって久しぶりの生え抜き高卒の開幕投手となった藤浪は、白星を掴むことができるだろうか。
<阪神の開幕投手>
※2021年は予定
※2005年以降
2021年:藤浪 晋太郎(大阪桐蔭高)
2020年:西 勇輝(菰野高)※オリックスより移籍
2019年:メッセンジャー
2018年:メッセンジャー
2017年:メッセンジャー
2016年:メッセンジャー
2015年:メッセンジャー
2014年:能見 篤史(鳥取城北高→大阪ガス)
2013年:メッセンジャー
2012年:能見 篤史(鳥取城北高→大阪ガス)
2011年:能見 篤史(鳥取城北高→大阪ガス)
2010年:安藤 優也(大分雄城台高→法政大→トヨタ自動車)
2009年:安藤 優也(大分雄城台高→法政大→トヨタ自動車)
2008年:安藤 優也(大分雄城台高→法政大→トヨタ自動車)
2007年:下柳 剛(瓊浦高→八幡大(中退)→新日鉄君津)※日本ハムより移籍
2006年:井川 慶(水戸商)
2005年:井川 慶(水戸商)
(記事=勝田 聡)