世代トップクラスの実績残す坂倉将吾、アドゥワ誠ら広島の98年世代
坂倉将吾(日大三出身)
今年で高校を卒業して5年目を迎える98年世代の選手たち。高卒5年目といえば、大学に進学した選手たちがプロの世界に飛び込んでくる年でもある。今シーズンの大卒ルーキーといえば、阪神の佐藤輝明や、東北楽天の早川隆久らが注目を浴びるが、高卒入団組にもオリックス・山本由伸や埼玉西武の今井達也ら錚々たるメンツが揃う。
本記事では各球団の98年世代の選手たちをピックアップし、その現在地を見ていこう。今回は、昨シーズンセ・リーグ5位の広島東洋カープだ。
大卒3人はいずれも一軍での活躍に期待
広島東洋カープに現在在籍する98年世代の選手は以下の通り。
▼高卒5年目
高橋昂也(花咲徳栄・2位)
6試合 1勝2敗 21回 17奪三振 防御率9.43
坂倉将吾(日大三・4位)
144試合 打率.270(282打数76安打) 4本塁打 36打点 1盗塁
アドゥワ誠(松山聖陵・5位)
72試合 9勝7敗 5ホールド 159回 82奪三振 防御率4.08
▼大卒1年目(2020年ドラフト)
森浦大輔(天理・天理大・2位)
大道温貴(春日部共栄・八戸学院大・3位)
矢野雅哉(育英・亜細亜大・6位)
高卒組の高橋昂也、坂倉将吾、アドゥワ誠はいずれも、この4年間で一軍公式戦への出場を果たしている。ドラフト2位だった高橋昂也は、2年目に一軍デビュー。6試合全てに先発し防御率9.43だったものの、巨人戦で好投し初勝利をマーク。飛躍を期待されたが、2019年にトミー・ジョン手術を受け、ここ2年間は一軍登板がない。
4位指名だった坂倉は、1年目からファームで正捕手の座を掴み、日本一に輝いたファーム日本選手権では、決勝3ランを放ちMVPを獲得。一軍でも順調に出場試合数を伸ばし、昨シーズンは81試合で打率.287・3本塁打・26打点をマークした。同世代には九鬼隆平(福岡ソフトバンク)、古賀優大(東京ヤクルト)ら甲子園を沸かせた捕手もいるが、プロでの実績はトップを走っている。
5位のアドゥワ誠は2年目に一軍デビューすると、中継ぎで53試合に登板しリーグ3連覇に貢献。3年目には完投勝利もマークしたが、4年目は右肘手術もあり一軍登板なしに終わった。通算159回は、同世代では山本由伸、今井達也、種市篤暉に次ぐ4番目の数字で、ここまでの貢献度は上々と言える。
大卒入団の森浦大輔、大道温貴、矢野雅哉は、いずれも1年目から一軍でプレーを観られそうだ。森浦は開幕一軍を決め、大道もオープン戦で好投を見せている。矢野はオープン戦打率1割台と苦しんだが、その守備力への評価は高い。いきなりパンチパーマで現れるなど話題にも事欠かず、人気選手になりそうな気配が漂う。
また大道は春日部共栄時代、3年夏の埼玉大会決勝で花咲徳栄の高橋と投げ合っている。自身は高橋から3打数1安打、高橋のことは5打数無安打に抑えたが、試合は5失点完投負けで甲子園を逃した。プロでは高橋、大道のリレーにも注目したい。
記事:林 龍也
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