プロ野球は練習試合も本格化し、レギュラーを争う選手たちのアピールが続いている。セ・リーグ3連覇を目指す巨人では一塁に新星が現れ、争いが起こりつつある。

 争いを巻きおこそうとしているのはドラフト5位ルーキーの秋広 優人二松学舎大附高)である。秋広は今春季キャンプで二軍スタートだったものの、紅白戦で快音を響かせ一軍に合流。2月23日の練習試合(ヤクルト戦)では、2本の二塁打を放ち、ここでもアピールに成功している。

 秋広は高校時代に甲子園出場はなかったものの、一塁手兼投手の二刀流として活躍。身長2メートルという高身長も手伝い知られた存在だった。プロ入り後は三塁での起用で練習を行っていたが、出場機会を増やすべく一塁での練習も取り組み始めた。その矢先に一軍での出場機会を得たのである。

 2月17日、18日、20日と練習試合では3試合連続して一塁でスタメン出場。主力メンバーの多くが試合に出場していないとはいえ、原 辰徳監督の期待がうかがえる。

 巨人の一塁手事情を見ると、昨シーズンは中島 宏之(79試合)、ウィーラー(18試合)を中心に9人がスタメンで起用されている。9人のスタメン起用は左翼の12人についで2番目に多く、年間を通じて固定できなかった。

 その不安を解消するべくMLB通算196発の大砲候補であるジャスティン・スモークを獲得したわけだが、新型コロナウイルスの影響で現時点では来日の目処は立っていない。

 現実的に考えるとスモークは開幕時に不在が濃厚であり、一塁は中島やすでに来日し合流しているウィーラーの争いとなるだろう。

 もちろん両選手は秋広と比べて格段に実績がある。しかし中島は今年39歳とすでにベテランの域に達している。年間を通じてフル出場を求めるのはむずかしい。ウィーラーは34歳だが、ここ2年は打率2割5分を下回り、OPSも4年連続で下降中。一塁を守る助っ人外国人選手としては物足りなさが残る。そう考えると秋広が割って入っても不思議ではない。

 仮にこのまま秋広が結果を残し続け高卒新人野手による開幕スタメンとなれば、プロ野球では2019年の藤原 恭大(ロッテ/大阪桐蔭高)以来2年ぶり、巨人では王貞治(1959年)以来62年ぶりの快挙となる。

 現在の主力である坂本 勇人光星学院高)や岡本 和真智辯学園高)も、あの松井 秀喜星稜高)もプロ1年目の開幕スタメンには名を連ねていない。はたして秋広は王以来となる、巨人の高卒新人によるスタメン起用を勝ち取ることができるだろうか。これから始まるオープン戦でも目が離せない。

(記事:勝田 聡)


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