低迷脱出を図るカープの若手キーマンは
アドゥワ誠
春季キャンプも中盤に入り紅白戦や練習試合が増えてきた。開幕までの調整が許されるベテランや主力以外の若手選手は、開幕一軍入りを目指してアピールを続けている。
とくに高卒で入った若手は5年目くらいまでには、ある程度の実績がほしいところだろう。さてそこで今回は広島東洋の期待の若手とでも言うべき、高卒2年目から5年目までの選手の現在地を確認してみたい。
投手陣では遠藤 淳志(霞ヶ浦高→2017年5位)が昨シーズン大ブレイクを果たした。規定投球回には到達しなかったものの、チーム2位の19先発(107回)でローテーション入りを果たした。今年も開幕ローテーション入りは確実視されている。
今年5年目を迎える高橋 昂也(花咲徳栄高→2016年2位)とアドゥワ誠(松山聖陵高→2016年5位)は故障との戦いだ。高橋は2018年に一軍で初勝利をあげたものの、2019年にトミー・ジョン手術を受けた。そのため2019年以降に一軍での登板はない。再起を目指す今春のキャンプでは一軍スタートだったものの、シート打撃で打球が直撃した影響で離脱した。
一方のアドゥワは2018年に中継ぎとして53試合に登板。翌2019年には先発13試合を含む19試合に登板するも、昨シーズンは一軍登板0に終わった。昨年10月に右肘の手術を行ったことで現在はリハビリ中。しかし二軍のキャンプでブルペンでの立ち投げは行っており復帰は早そうだ。
高橋、アドゥワともに今シーズンは巻き返しを目指すことになる。
野手では「打てる捕手」候補として坂倉 将吾(日大三高→2016年4位)が早くから結果を残してきた。しかし、この春のキャンプでは下半身のコンディション不良で離脱。正捕手争いから一歩後退した。
林 晃汰
3年目を迎えた小園 海斗(報徳学園高→2018年1位)、林 晃汰(智弁和歌山高→2018年3位)、羽月 隆太郎(神村学園高→2018年7位)の3人がチャンスをうかがっている。
小園は1年目から一軍で結果を残したものの、昨年はほぼ二軍暮らしだった。今年は再び一軍昇格を狙う年となる。林はスラッガー候補としての期待が大きい。中止となった練習試合でも「4番」として起用される予定だった。鈴木 誠也ら主力が温存されているとはいえ、「4番」という打順は期待の現れであることは明らか。昨シーズン放つことができなかった一軍での一発を今年は狙う。
ドラフト時の評価は小園と林より低かった羽月は、昨シーズン3人のなかで最多の17試合に出場した。オフシーズンも菊池涼介と自主トレを行い、レベルアップを図っている。
一方で高3時の夏の甲子園で6本塁打を放ち大きな注目を浴びた中村 奨成(広島広陵高→2017年1位)は、ここまで一軍で実績を残すことはできていない。捕手という特殊なポジションではあるが、今年こそ一軍定着の足がかりを掴みたい。
【広島の高卒2年目から5年目の選手】
※育成指名で現在も育成契約の選手はのぞく
<高卒5年目>
高橋 昂也(花咲徳栄高→2016年2位)
坂倉 将吾(日大三高→2016年4位)
アドゥワ 誠(松山聖陵高→2016年5位)
長井 良太(つくば秀英高→2016年6位)※すでに現役引退
<高卒4年目>
中村 奨成(広島広陵高→2017年1位)
山口 翔(熊本工業高→2017年2位)
永井 敦士(二松学舎大付属高→2017年4位)
遠藤 淳志(霞ヶ浦高→2017年5位)
藤井 黎來(大曲工業高→2017年育2位)
<高卒3年目>
小園 海斗(報徳学園高→2018年1位)
林 晃汰(智弁和歌山高→2018年3位)
中神 拓都(市立岐阜商高→2018年4位)
田中 法彦(菰野高→2018年5位)
羽月 隆太郎(神村学園高→2018年7位)
<高卒2年目>
鈴木 寛人(霞ヶ浦高→2019年3位)
韮沢 雄也(花咲徳栄高→2019年4位)
玉村 昇悟(丹生高→2019年6位)
(記事=勝田 聡)
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