練習制限の時勢だからこそ!守備職人の慶應大前主将が実践する壁当ての「考え方」
瀬戸西純
緊急事態宣言の影響により、該当地域の学校の部活の自粛、練習内容制限が相次いでいる。いわゆる朝から晩までみっちり、放課後から夜遅くまでみっちりというのは、20時以降の外出自粛要請をされている中、厳しいものとなっている。
その中で何をすべきかといえば、短時間で野球に必要な動きを覚える「ドリル化」が重要だと言える。この時間だけなの?これだけなの?と思っていたものも、今、時間が限られている中、必要な練習を「これでうまくなるんだ!」と思って練習をするしかない。その中で守備でオススメの練習を紹介したい。
それが壁当てだ。この壁当ての重要性を紹介してくれたのが、昨年、慶應大の主将を務めた瀬戸西純だ。今年は名門・ENEOSに進むが、持ち味は大学生トップクラスの守備力。各指導者から丁寧な守備姿勢は評価が高い。
そんな瀬戸西の守備を支えたのが壁当てである。そんな瀬戸西の壁当てはいたってシンプル。しかし意識の仕方がさすがだった。瀬戸西は急いで、速くプレーするのではなく、1つ1つの動作を丁寧に行う。
瀬戸西は大学に進んで、東京六大学の打者陣の打球の速さに戸惑った。そこで守備について突き詰めていったところ、「丁寧にこなすことが、結果的に最短最速確実」に結びついた。
この壁当ては捕球して終わりではなく、送球動作に入って終わる。守備はしっかりとした送球を終えて完了できると考えているからだ。
守備は反復練習の多さが上達に比例すると聞く。しかし、体の使い方、意識付けがしっかりしていなければ、無駄な練習となってしまう。何気ない壁当てに深みをもたせる瀬戸西の手法はすぐに学べるし、長いスパンでみていけば、いずれ自分の身を助けてくれるはずだ。