News

中日・石川昂弥はファームで常にOPS.6以上をキープ!来季はOPS.9超え&一軍初本塁打を!

2020.12.16

 福岡ソフトバンクの優勝で幕を閉じた2020シーズンのプロ野球。

 広島東洋・森下 暢仁や東北楽天・小深田 大翔を始め、ルーキーたちもその盛り上がりに大いに貢献したが、彼らのように一軍で活躍するルーキーもいる一方で、高卒ルーキーたちは主にファームで力を蓄えた選手が多かった。

 未来のプロ野球を盛り上げるプロスペクトたちのルーキーイヤーを振り返りつつ、来季の展望を見ていきたい。今回は中日ドラゴンズの石川 昂弥だ。

来季は400打席・OPS.9以上で質・量とも今季超えを

中日・石川昂弥はファームで常にOPS.6以上をキープ!来季はOPS.9超え&一軍初本塁打を! | 高校野球ドットコム
石川 昂弥(東邦出身)

 愛知の名門・東邦で2019年のセンバツを制し、3球団競合の末に中日入りした石川。今シーズンはファームで結果を残し、一軍初打席初安打をマークするなど大器の片鱗を見せた。

▼今シーズン成績
14試合 打率.222(36打数8安打) 0本塁打 1打点 0盗塁 3四球 12三振 長打率.278 出塁率.300(一軍)
58試合 打率.278(205打数57安打) 3本塁打 24打点 3盗塁 28四球 57三振 長打率.380 出塁率.374(ファーム)

 打率.278はウエスタン・リーグ5位、出塁率.374は同3位で高卒新人の中ではトップの数字となった。また、高卒新人の中で見ると長打率は3位、OPSは僅差で2位(1位は東北楽天・黒川 史陽)と、全体的に好成績をマークしている。

 本塁打、打点などでは特別目立った成績は残していないが、これは7月に3週間ほど一軍に昇格しており、ファームでの出場機会が減ったことも影響している。

 続いて、石川のファームでの打席数とOPSの推移を見ていこう。

中日・石川昂弥はファームで常にOPS.6以上をキープ!来季はOPS.9超え&一軍初本塁打を! | 高校野球ドットコム

 グラフを一目見て分かるのが、シーズンを通してOPSが高い数字を維持していることだ。開幕直後は0.6付近だが、すぐに0.8近くまで浮上し、その後は常に0.6~0.8の間を推移している。

 打席数は一軍に昇格していた7月を除き順調に増やしており、ファームではコンスタントに出場しつつ高OPSを維持していたのだ。

 一軍登録を抹消された直後の8月頭には打率.231、OPS.661と成績を落としたものの、以降は持ち直し、打率.250以上、OPS.73以上を維持してシーズンを終えた。最後の最後で黒川(智辯和歌山)に抜かれOPSトップの座は譲ったものの、堂々たる成績を残した1年目だった。

 オフの契約更改では即戦力として機能しなかったとダウン提示を受けた石川だが、コロナ禍における難しいシーズンに高卒1年目を迎え、一軍とファーム合わせて300打席近くを経験できたことは、大きな経験値となるだろう。

 来シーズン、プロ野球が日程通りに開催されるのであれば、一軍・ファーム合わせて400打席以上に立ち、質・量ともに今シーズンを上回りたいところだ。その上で目安となるのはファームOPS.900だ。

 2年目に新人王、3年目にはチームの主砲へと成長した東京ヤクルト・村上 宗隆は、1年目にファームで427打席に立ちOPS.879をマークした。近い将来、石川が飛躍するためにも一つの目安となるだろう。

 欲を言えば、来シーズンは一軍での初ホームランも見せてもらいたいところだが、まずは数年後に年間30~40本を打てる大砲となるための、礎を築くシーズンとしたいところだ。

データ協力:やきうのおじさん(@yakiunoojisan
Twitterで野球の分析を行う。本記事のデータはすべて日本野球機構(NPB)のオープンデータを使用。

記事:林龍也

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.23

【春季埼玉県大会】地区大会屈指の好カードは川口市立が浦和実を8回逆転で下し県大会へ!

2024.04.23

「無欲すぎて就職希望だったところを……」紅林弘太郎(オリックス)、恩師が明かす高校3年間

2024.04.23

波乱の春季千葉大会!木更津総合、習志野、市立船橋、成田の強豪が夏ノーシードに回る事態に!

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.23

【春季埼玉県大会】地区大会屈指の好カードは川口市立が浦和実を8回逆転で下し県大会へ!

2024.04.21

【神奈川春季大会】慶応義塾が快勝でベスト8入り! 敗れた川崎総合科学も創部初シード権獲得で実りのある春に

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!