山本泰寛が阪神へトレード。その他の慶応高→慶応大ルートの現役プロ野球選手は?
東京ヤクルトに1位指名を受けた木澤尚文(慶応高-慶應大)
11月30日、巨人と阪神の間でトレードが成立した。巨人の山本泰寛が阪神へ金銭トレードで移籍したのである。巨人と阪神のトレードは2004年の克則(阪神→巨人へ金銭で移籍)以来、16年ぶりのことでもあり話題となった。
山本は今シーズンこそ一軍での出場はなかったものの、昨シーズンまでに通算186試合の出場で打率.234(423打数99安打)、3本塁打を放っている。二塁、三塁、遊撃と内野の複数ポジションを守れることが強みのひとつでもある。
そんな山本は慶応義塾高、慶応大を経て2015年ドラフト5位で指名され巨人に入団した。慶応大出身者は高橋由伸巨人前監督など多くのNPBプレーヤーを生んでいる。しかし山本のように慶応義塾高校から慶応大学へ進学し、その後ドラフト指名を受けた選手は多くない。
ドラフト制度がはじまった1965年以降で慶応高、慶応大を経てドラフト指名されたのは今年の木澤尚文(ヤクルト1位)を含めて8人しかいない。ちなみに慶応高出身でドラフト指名を受けた選手はこの8人だけ。他大学への進学してからのプロ入りはもちろん、高卒でのプロ入りもひとりもいない。
初めてドラフト指名を受けたのは、佐藤友亮(2000年西武4位)だった。ドラフト会議が始まった1965年から35年目のことである。佐藤の後は13年の空白があり白村明弘(2013年日本ハム6位)がプロ入りしている。
それ以降は山本、加藤拓也(現・矢崎拓也/2016年広島1位)とつづき、昨年は津留崎大成(2019年楽天3位)、柳町達(2019年ソフトバンク5位)、植田将太(2019年ロッテ育成2位)と育成を含め3人が指名された。そして今年は木澤が2016年の加藤以来、4年ぶりにドラフト1位で指名を受けている。
これまでの指名選手を見ると、比較的最近の指名が多いということはあるが、佐藤が12年間で732試合に出場したのが目立つくらいで大きな実績を残した選手はいない。
慶応大出身者は山下大輔や高橋、現役では福谷浩司(中日)らが結果を残しているが、彼らは外部から慶応大へと進学してきたのである。
来シーズン以降も現役でプレーする佐藤以外の7人が、結果を残すことに期待したい。
<慶応高出身のNPB選手>
※ドラフト制度以降
佐藤友亮(慶應義塾高→慶応大→2000年西武4位)
白村明弘(慶應義塾高→慶応大→2013年日本ハム6位)
山本泰寛(慶應義塾高→慶応大→2015年巨人5位)
加藤拓也(現・矢崎拓也/慶應義塾高→慶応大→2016年広島1位)
津留崎大成(慶應義塾高→慶応大→2019年楽天3位)
柳町達(慶應義塾高→慶応大→2019年ソフトバンク5位)
植田将太(慶應義塾高→慶応大→2019年ロッテ育成2位)
木澤尚文(慶應義塾高→慶応大→2020年ヤクルト1位)※交渉権獲得
(記事:勝田 聡)