太田龍(れいめい出身)の今季最終登板は1回7失点KO。数少ない巨人の社会人組投手は勝負の2年目へ
太田龍(れいめい-JR東日本-読売)
11月28日に行われたフェニックス・リーグの巨人対ソフトバンクの一戦で巨人先発の太田龍が大炎上した。太田は1回7失点、被安打5、与四球2とめった打ちにあいノックアウト。1年の締めくくりを好投で飾ることはできなかった。
太田は2019年ドラフト2位で指名され、JR東日本から巨人へと入団した社会人出身の投手である。
巨人の投手陣を見ると生え抜きの選手で社会人出身の選手は少ない。エースの菅野智之(東海大)や中継ぎとしてブレイクした中川皓太(東海大)のような大卒組。戸郷翔征(聖心ウルスラ学園高)や田口麗斗(広島新庄高)といった高卒組で構成されている。2020年シーズン、一軍登板を果たした社会人出身の投手は、ひとりもいなかった。
巨人が社会人出身の投手を指名するのは谷岡竜平(東芝/2016年3位)と池田駿(ヤマハ/2016年4位)以来、3年ぶりでもあった。その谷岡は肩の手術を受けたこともあり、今シーズンから育成での契約。そして池田は、シーズン途中に楽天へとトレードで移籍しており巨人での出場はなかった。
その他に在籍している社会人出身の投手は田原誠次(三菱自動車倉敷オーシャンズ/2011年7位)がいるが、今シーズンは一軍での登板機会はなかった。
現在、他球団で現役を続けている選手では公文克彦(大阪ガス)と内海哲也(東京ガス/2003年自由枠)がいる。公文は2012年4位で指名され、大阪ガスから巨人に入団。巨人では4年間で15試合の登板にとどまっていた。しかし2016年オフにトレードで日本ハムに移籍してからは4年間で188試合に登板し、中継ぎとして戦力になっている。
2000年以降でもっとも巨人で活躍した社会人出身の投手といっても過言ではない内海は、巨人でエース級の活躍を見せ2018年までに133勝をマークした。2018年オフに炭谷銀仁朗の人的補償として西武へと移籍。今シーズンは移籍後初勝利をマークしている。
また高木勇人(三菱重工名古屋/2014年3位)は、ルーキーイヤーに9勝を挙げたもののその後は目立った成績を残すことができず、2017年オフに野上亮磨の人的補償として西武へと移籍する。そこでも結果は残せず昨シーズン終了後に退団し、今シーズンはBCリーグでプレーしていた。
ドラフト2位という上位指名でプロ入りを果たした太田は、社会人出身の大先輩でもある内海のように結果を残すことができるだろうか。最終登板の悔しさを来シーズン以降にぶつける活躍に期待したい。
【巨人の社会人出身投手】
※2000年以降
伊藤優輔(都立小山台高→中央大→三菱パワー/2020年4位)※交渉権獲得
太田龍(れいめい高→JR東日本/2019年2位)
谷岡竜平(成立学園高→東芝/2016年3位)
池田駿(新潟明訓高→専修大→ヤマハ/2016年4位)
高木勇人(海星高→三菱重工名古屋/2014年3位)
公文克彦(高知高→大阪ガス/2012年4位)
田原誠次(聖心ウルスラ学園高→三菱自動車倉敷オーシャンズ/2011年7位)
土本恭平(土岐商→専修大→JR東海/2009年3位)
上野貴久(帝京高→東洋大→NTT東日本/2006年大・社3位)
栂野雅史(桐蔭学園高→新日本石油/2005年大・社3巡)
野間口貴彦(関西創価高→創価大(中退)→シダックス/2004年自由枠)
内海哲也(敦賀気比高→東京ガス/2003年自由枠)
石川雅実(藤岡高→JR東日本/2001年4位)