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清宮幸太郎(早稲田実出身)、万波中正(横浜出身)ら若手スラッガーが取り組む4種類の打撃練習

2020.11.30

清宮幸太郎(早稲田実出身)、万波中正(横浜出身)ら若手スラッガーが取り組む4種類の打撃練習 | 高校野球ドットコム
坂を使いながらバッティング練習に励む清宮幸太郎(早稲田実業出身)

 2015年の日本一を最後にペナントでの優勝から遠ざかっている北海道日本ハムファイターズ。また2020年シーズンが終わり、有原 航平(広島広陵出身)と西川 遥輝(智弁和歌山出身)のポスティングを容認するなど、チームの入れ替えが徐々に始まってきている。

 そんななか、宮崎県で先日まで開催されていたフェニックスリーグでは未来の主力候補たちがアピール合戦を繰り広げた。28日には阪神を相手に8対1で勝利をおさめたが、試合後のグラウンドを見ていると、様々な練習が実施されていた。

 基本的にはバッティング練習が中心のメニュー。フリーバッティングは手投げの1ヶ所のみして、清宮 幸太郎早稲田実出身)や万波中正(横浜出身)らが気持ちよく打ち込んでいた。それよりも気になったのは周りの練習。合計4ヶ所で打撃練習が実施されていた。

・ロングティー
ゲージのすぐ隣で実施されていたロングティー。高校野球でもよくある斜め前よりトスを上げてもらい、選手が打球を飛ばしていくメニュー。ただ、日本ハムの練習は少し違う。踏み出す足の方に坂のようなものを用意して、そこに足を乗せた状態から打つ。この状態を作ることで軸足に重心が乗りやすい構えになるが、それ以上にきちんと重心移動で踏み込み足に乗せてあげないと打球を飛ばせない。

 また合間にはメディシンボールをもって、その場で数秒間ツイストするメニューも組み込まれていた。これもただ両腕で身体をツイストさせるのではなく、下半身からきちんと動き出して捻ることに注意していた。こうしたところからも下半身主導で動き出していくことの重要性を伝えようとして言うのがわかった。

・ハーフバッティング
ロングティーの隣では、短い距離でのハーフバッティング。ここでは打つ際に工夫等はなかったが、大事なことは隙間に組み込まれたトレーニング。水の入ったバックを腕で抱えてこんで、サイドステップで反復横跳びを実施。この動作をすると1本足で立つ際、水が入っているためにバランスが崩れやすくなっている。そのためバランス感覚はもちろんだが、体幹を中心にどれだけ安定した姿勢を保って動作の切り替えに移れるか。体幹の重要性を再認識させるメニューとなっているのが印象的だった。

・ティーバッティング(連続ティー)
バックネットでは、高校野球でも多く実施されている連続打ちが実施されていた。ここではとにかく選手たちがバットを振り続けており、スイングするための体力や腕力を強化。ただ高校野球以上にハイテンポでスイングをしていたあたりは、さすがプロ野球と感じさせる内容となっていた。

・ティーバッティング(股割り)
多くの選手が辛そうにしていた股割り状態でのティーバッティング。重心を落とした状態で構え、低めにトスされたボールを選手たちは打ち返していく。これが60球程度続くのだから、かなり厳しい練習となっている。だがここにもポイントがある。それは膝の使い方。腕だけでスイングをするのではなく、膝で前へ送り出してあげることで、力強い打球を飛ばしていく。トレーニングを兼ねてのメニューとなっているが、こうしたところにも技術力向上のためのメソッドは詰まっている。

 以上、フリーバッティングの周りで行われていた4種類のメニューを紹介してきたが、共通して言えることは下半身や体幹の重要性を確認させることにあった。ロングティー、股割りでのティーバッティングでは、いかに前へ重心を乗せられるか。そのために膝の使い方をどうすればいいのか。

 また、ハーフバッティングやロングティーの合間のツイスト動作では体幹に刺激を与えて、打撃の中で使えるようにするなど、工夫が詰まっていた。

 これが冬場に入り、地道なトレーニング等が増えていく高校野球。これがオフシーズンの参考となれば幸いである。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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