崖っぷちに立った高山優希-柿木蓮の大阪桐蔭の継投リレーで若虎打線を封じる
三番手で登板した北海道日本ハム・柿木蓮
フェニックスリーグ中も戦力外通告が行われ、現在、プレーをしている選手も心境が穏やかではない。
そんな中、28日に大阪桐蔭リレーが実現した。
28日、宮崎県で開催中のフェニックスリーグで北海道日本ハムと阪神タイガースの一戦で、高校野球界の名門・大阪桐蔭出身の2人の投手による継投があった。それは高山 優希と柿木 蓮の2人によるものである。
先発・立野 和明(中部一出身)のあとを継いで、後半6回から2番手で登板した高山は8回まで投げて1失点とまずまずの結果を残した。身長181センチの身体を大きく使ったワインドアップから動き出していき、右足をすっと上げて1本足の時間を長めに作る。そこで軸足にきちんと重心を乗せると、開きを抑えたまま平行移動していき、重心を前へ運んでいく。この時、両腕はコンパクトに使って、テイクバックもあまりとらずに、すぐにトップを作る。
身体の後ろでギリギリまで腕を隠す分、出所が見えにくいのが一番の武器の髙山は、角度を付けたストレートや大きく曲がるスライダー系のボールなどで、アウトの山を築く。ただ、失投はまだ多く、もう少しコントロールを詰めていき、試合で結果を残すことが支配下復帰への道となるのではないだろうか。
その高山のバトンを受け取って、9回のマウンドに上がったのが2年目・柿木。9回だけの登板となったが、スライダーを軸とした投球で2本のヒットを許しながらも無失点。結果を残すことが出来た。フォームを細かく見てみると、高校時代と比較して腕の位置が下がったことに最初に気づいた。
甲子園ではオーバースローから繰り出す角度を付けた威力十分のストレートが光ったが、腕の位置を下げた分、この日はストレート以上にスライダーが有効的なボールとなっていた。また、高校時代よりもトップを作るのが早くなっており、上半身と下半身のバランスを整えようとしていることも見ていてわかってきた。
高校時代のような力で勝負するようなタイプではなくなったことは間違いない。プロの世界で生き抜く術を見出していく中でたどり着いた結果だろうが、これがどのような結果に結びつくのか。
2人は短い期間だがともに名門・大阪桐蔭でプレーし、さらにはエースナンバーを背負った。ただ、2人も今シーズンはファームで成績を残すことはできていない。高山は制球力に苦しみ、四死球が多い。柿木に関しては登板機会を掴めずに終わった。プロの世界でもチームメイトとして切磋琢磨する高山と柿木によるリレーが、今後は北海道の地で実現することを楽しみにしたい。
<2020年のファームの成績>
高山優希
21試合 投球回18回 0勝1敗
打者99人 被安打33 与四死球15 奪三振12 防御率13.00
柿木蓮
6試合 投球回7回 0勝0敗
打者22人 被安打2 与四死球1 奪三振3 防御率0.00
(記事:田中 裕毅)
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