11月も下旬。来シーズンへ向けて若手たちが「みやざきフェニックス・リーグ」で汗を流している。かつては中田 翔(日本ハム)や山川 穂高(西武)、村上 宗隆(ヤクルト)らが、結果を残したこの舞台で今年も多くの若い選手たちが躍動している。広島の小園 海斗もそのひとりだ。

 小園は2018年ドラフト1位で指名され、報徳学園高から広島へと入団する。1年目から58試合に出場すると打率.213(188打数40安打)、4本塁打と結果を残した。しかし2年目の今シーズン、一軍ではわずか3試合の出場にとどまり、ノーヒットに終わった。

 一軍だけでなく二軍でも8月終了時点で打率.190と苦しんでいた。このまま終わるかに思われたが、9月以降は打撃が復調。9月は打率.413と結果を残し打率.265まで盛り返す。さらに10月も打率.418と勢いは止まらない。11月1日の最終戦でも5打数3安打を記録し、打率を3割に乗せ2年目のシーズンを終えた。惜しくも首位打者は逃したものの打率.305(249打数76安打)はリーグ2位。76安打はリーグトップの数字だった。

 フェニックス・リーグでも順調にアピールしており、11月24日のDeNA戦では2安打をマークした。来春のキャンプでは一軍で遊撃のポジション争いに加わることが期待されている。

 現在一軍の正遊撃手は田中 広輔だが、国内FA権を取得しており去就はまだわからない。仮に権利を行使し退団となれば、いきなり小園がレギュラーとなる可能性も十分にある。残留となっても田中は来シーズン中に32歳となる。遊撃手として5年、10年と戦っていくことは現実的ではなく、将来的なポジションの変更、そして遊撃手の世代交代を考えていくことになるだろう。そうなれば小園は遊撃手の候補の1人となるはずだ。

 もちろんライバルはいる。来シーズンが高卒2年目となる韮沢 雄也花咲徳栄高)もそのひとり。今シーズンは二軍で68試合に出場し打率.229(218打数50安打)と結果を残した。二軍の数字ではあるが、打率.229は小園の1年目に残した打率.210を上回っている。

 また今年のドラフトでは6位で矢野 雅哉(亜細亜大)を指名した。2019年秋のリーグ戦では首位打者とベストナイン(遊撃手)を獲得している即戦力候補。守備面では一軍でも通用すると評価されており、とくに肩の強さは折り紙付きだ。

 小園にもチャンスはあるが、競争を勝ち抜かなければレギュラーの座は手に入らないのである。田中の去就に関わらず、広島の遊撃手争いは混沌としている。

(記事:勝田 聡)