ファームで9本塁打を放った井上広大(履正社出身)生え抜き右打者では藤村 富美男以来の30本に期待!

井上広大(履正社-阪神)
今シーズン、大山 悠輔(阪神)がキャリアハイとなる28本塁打を放った。惜しくも本塁打王には手が届かなかったものの、タイトルを獲得した岡本 和真(巨人)との差は3本と手が届く範囲だった。来シーズンも本塁打王争いに加わることが期待される。また、それを求められることになるだろう。
一方、ファーム(ウエスタン・リーグ)でも阪神の選手が本塁打ランキング2位に入った。履正社高出身の高卒1年目、井上 広大が9本塁打を放ったのである。こちらも1位のリチャード(ソフトバンク)との差は3本だった。
そんな井上はフェニックス・リーグに参戦している。ここまでの全試合で4番に座り2本塁打を放っている。同リーグでは2018年に村上 宗隆(ヤクルト)が、高卒1年目ながら10本塁打を放ち本塁打王となった。翌年以降のブレイクは周知のとおりだが、井上にも同様の活躍が期待さ荒れる。
もちろん来シーズンすぐに一軍でレギュラー獲得とはならないだろうが、同リーグでは外野の全ポジションについており、守備面を含めていつでもいける準備は進めている。
阪神は本塁打の出にくい甲子園球場を本拠地としていることから、長距離砲が育ちにくい。生え抜きの本塁打王は1984年の掛布 雅之まで遡る。30本塁打以上を記録している選手で見ても、生え抜きでは1985年の掛布そして岡田彰布から35年も生まれていない。
また、生え抜きの高卒右打者で30本塁打以上を記録した選手は、(旧制中学ではあるが)初代ミスタータイガースこと藤村 富美男(旧制呉港中)が1949年(46本)と1950年(39本)に記録したのみ。
セ・リーグの他5球団はいずれも平成以降に達成者がいるものの、阪神は70年にも渡って未到達となっているのだ。
これだけ長年にわたって生え抜きの長距離砲が生まれていなかった阪神に、2人の長距離砲候補が現れたのは明るい材料だ。
大山は掛布以来の生え抜き選手としての本塁打王、井上は藤村以来の生え抜き高卒右打者の30本塁打以上を達成できるだろうか。阪神の長距離砲候補たちに注目したい。
<セ6球団の生え抜き高卒右打者による直近の30本塁打以上>
※前身球団含む
巨人:岡本 和真(智辯学園高/2020年/31本)
ヤクルト:山田 哲人(履正社高/2019年/35本)
広島:鈴木 誠也(二松学舎大附高/2018年/30本)
DeNA:吉村 裕基(東福岡高/2008年/34本)
中日:山崎 武司(愛工大名電高/1996年/36本)
阪神:藤村 富美男(旧制呉港中/1950年/39本)
※数字は2020年11月21日終了時点
(記事:勝田 聡)
相手に引っ張らせない配球されたら浜風は敵。
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