News

東京ヤクルト・奥川恭伸(星稜出身)はWHIP0.67、オリックス・前佑囲斗(津田学園出身)は奪三振率10.5をマーク!

2020.11.04

東京ヤクルト・奥川恭伸(星稜出身)はWHIP0.67、オリックス・前佑囲斗(津田学園出身)は奪三振率10.5をマーク! | 高校野球ドットコム
奥川恭伸

 11月1日、今シーズンのファーム公式戦が終了し、残すは7日のファーム日本選手権のみとなった。一軍も各球団残り5試合ほどとなっているが、その中でどれだけ高卒新人たちが出てくるか楽しみにしているファンも多いことだろう。本連載では高卒新人たちのファーム成績を追いかけ、その成長を分析する。第20回では、投手たちを見ていこう。

 今シーズン、高卒新人でファーム規定投球回に到達した選手はいなかった。やはり、ファームとはいえ高卒1年目の投手が多くの回を投げることは、簡単なことではないようだ。そこで今回は、15回以上を投げた9投手に絞り、投球内容を見ていく。下記グラフは、彼らのWHIPを可視化したものだ。

東京ヤクルト・奥川恭伸(星稜出身)はWHIP0.67、オリックス・前佑囲斗(津田学園出身)は奪三振率10.5をマーク! | 高校野球ドットコム
高卒ルーキーのWHIP(11月2日時点)

 グラフを一目見れば、東京ヤクルトの奥川 恭伸星稜)が一人、ずば抜けた位置にプロットされていることがわかる。コンディション不良などもあり投球回は19.2回と少ないものの、安打/投球回は0.57、四球/投球回は0.10でWHIP0.67と圧倒的だ。奪三振数も18をマークし、防御率1.83と、内容面においては言うことがないレベルの投球を見せた。

 内容面では奥川に及ばないものの、今季の高卒新人投手で最も好成績を残したのは間違いなく宮城 大弥興南)だ。WHIP1.25と、エース級と呼ばれる1.2にはわずかに届かなかったものの、高卒新人最多の59.2回を投げ防御率2.72。初勝利こそならなかったが、一軍でも2試合に登板するなど、充実の1年目となった。

 宮城とチームメイトの前佑 囲斗津田学園)は、投球回こそ24回にとどまったが、安打/投球回は0.79と、宮城を上回っている。さらに、投球回を上回る28奪三振を記録するなど、その球威は十分通用することがわかった。

 横浜DeNAの浅田 将汰有明)は50.2回、阪神の西 純矢創志学園)は45回と、宮城に次ぐ投球回を投げ、多くの経験を積むことができた1年だった。内容面ではまだまだ課題はありそうだが、球威という点では光るものを見せてくれた。

 阪神の及川 雅貴横浜)、オリックスの中田 惟斗大阪桐蔭)、巨人の井上 温大前橋商)、ロッテの横山 陸人専大松戸)はいずれも安打/投球回が1.0を大きく上回っており、奪三振率も3~5程度と、球威という面で課題がありそうだ。しかし四球/投球回は0.4前後と制球面では安定しており、ここは強みとして活かしていきたいところだ。

 ファームのシーズンは終了したが、今月10日に行われる東京ヤクルトの最終戦では、奥川の一軍デビューが予定されている。一軍のシーズンも残り5試合ほどとなり、各球団とも来季へ向けた若手の昇格などが増えてきた。奥川以外にも、デビューを果たす選手が出てくるだろうか。

※成績は全て11月1日終了時点

データ協力: やきうのおじさん(@yakuunoojisan
Twitterで野球の分析を行う。本記事のデータはすべて日本野球機構(NPB)のオープンデータを使用。

(記事=林 龍也

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.18

【神奈川】保土ヶ谷球場では慶應義塾、横浜が登場!東海大相模は桐蔭学園と対戦!<春季県大会4回戦組み合わせ>

2024.04.18

強豪校を次々抑えて一躍プロ注目の存在に! 永見光太郎(東京)の将来性を分析する<高校野球ドットコム注目選手ファイル・ コム注>

2024.04.18

首都二部・明星大に帝京のリードオフマン、東海大菅生技巧派左腕などが入部!注目は184センチ102キロの大型スラッガー!

2024.04.18

【春季埼玉県大会】ニュースタイルに挑戦中の好投手・中村謙吾擁する熊谷商がコールド発進!

2024.04.18

【岡山】センバツ出場の創志学園は2回戦から登場! 2回戦で昨年夏の決勝戦と同じカードが実現の可能性も!<春季県大会地区予選組み合わせ>

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.15

四国IL・愛媛の羽野紀希が157キロを記録! 昨年は指名漏れを味わった右腕が急成長!

2024.04.17

仙台育英に”強気の”完投勝利したサウスポーに強力ライバル現る! 「心の緩みがあった」秋の悔しさでチーム内競争激化!【野球部訪問・東陵編②】

2024.04.15

【春季和歌山大会】日高が桐蔭に7回コールド勝ち!敗れた桐蔭にも期待の2年生右腕が現る

2024.04.16

【春季埼玉県大会】2回に一挙8得点!川口が浦和麗明をコールドで退けて県大会へ!

2024.04.09

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード