高校生トップクラスの左腕・高田琢登は静岡商から44年ぶりの…
高田琢登(静岡商)
運命の1日とも呼ばれるドラフト会議まであとわずかに迫った。今年は早川 隆久(早稲田大)や佐藤 輝明(近大)といった大学生の話題が目立っている。
高校生では、プロ志望を表明した高橋 宏斗(中京大中京高)やプロ志望合同練習会で150キロを記録した山下 舜平大(福岡大大濠高)といった右投げの投手が、1位指名候補として取り上げられている。
一方、高卒左腕でトップクラスの評価を受けているのが高田 琢登(静岡商)である。高田は甲子園への出場はないものの、昨年秋の東海大会に出場している。そこでは初戦で4回途中10失点と苦しんだが、依然として評価は高い。
プロ野球の世界で静岡県の高校出身者を見渡すと、増井 浩俊(オリックス)や堀内 謙伍(楽天)、鈴木 将平(西武)が現役でプレーしている静岡高校の選手が目につく。
一方、静岡商出身の現役選手はひとりもいない。同校は池谷 公二郎(広島)、藤波 行雄(中日)、大石 大二郎(近鉄)といった名選手を生み出した名門だが、2009年まで楽天でプレーした山崎 隆弘が最後のNPBプレーヤーとなっている。つまり2010年代はひとりも現役選手がいなかったわけだ。高田が今回のドラフト会議で指名され入団を果たせば、12年ぶりに静岡商出身者がNPBの舞台に立つこととなる。
もう少し調べてみると池谷、藤波、大石の3人はともに静岡商から直接のプロ入りではなく大学や社会人を経由していたことがわかる。
池谷がドラフト指名された1972年以降、同校から直接プロ入りを果たしたのは池谷を含め7人いるが、1976年ドラフト2位で南海に指名された久保寺 雄二(南海)しかいないのである。
高田は12年ぶりのNPBプレーヤーというだけでなく、44年ぶりとなる同校から直接入団するNPBプレーヤーとなるかもしれない。
<静岡商出身のNPBプレーヤー>
※ドラフト制以降
奥柿幸雄(静岡商→1966年1次サンケイ1位)
野田英二(静岡商→1966年1次阪神9位)
松島英雄(静岡商→1969年大洋4位)
勝亦治(静岡商→1970年阪神9位)
池谷公二郎(静岡商→金指造船→日本楽器→1972年広島1位)
藤波行雄(静岡商→中央大→1973年中日1位)
久保寺雄二(静岡商→1976年南海2位)
秋田秀幸(静岡商→中央大→1977年中日5位)
高橋三千丈(静岡商→明治大→1978年中日1位)
大石大二郎(静岡商→亜細亜大→1980年近鉄2位)
山崎隆弘(静岡商→中部大中退→NTT東海→NTT西日本→2005年大社楽天9巡)
(記事:勝田聡)