高校野球熱の高い神奈川県。近年は横浜高と東海大相模高が中心となっている。NPB入りを果たした選手も両校からが圧倒的に多い。そこに桐蔭学園高や武相高などが続いている。

 そんな神奈川県ではあるが、「Y高」として親しまれている横浜商から久しぶりのNPBプレーヤーが誕生するかもしれない。

 身長190センチを超える大型外野手兼投手の笹川 吉康である。笹川は高校通算40本塁打を超えるパワーに加え、スピードも兼ね備えている。投手としてもプレーしてきたるが、プロ入りを果たした場合は野手に専念することが濃厚。1年目から即戦力として活躍を見込めるわけではないが、数年かけて成長を促していきたくなるようなまさに大器というにふさわしい存在だ。

 さて、笹川の所属するY高のOBを見渡すと、近年では山口 鉄也(巨人)の存在が光る。育成契約から這い上がり、巨人の中継ぎを支え日本代表にも選ばれた鉄腕だ。改めて説明するまでもないだろう。その他では横浜(現DeNA)で中継ぎとして活躍した河原 隆一やヤクルトの外野手・荒井 幸雄らがNPBの世界で結果を残している。

 しかし、山口が2018年シーズンで現役を引退したことで、現在はY高OBのNPBにおける現役選手は存在しない。

 入団経路を見ると山口に荒井、河原はいずれもY高から直接NPB入りは果たしていない。山口はアメリカのルーキーリーグを経験しており、荒井と河原は進学などを経てからのドラフト指名だった。

 もし笹川がY高からの直接入団となれば、春夏の甲子園で連続準優勝を果たしたときのエースである三浦 将明(1983年中日3位)以来、37年ぶりの快挙である。ちなみに三浦はPL学園高の清原 和博(元オリックスほか)が、甲子園で初めて本塁打を放った投手としても知られている。

 昨年は同じ神奈川県の桐蔭学園高の森敬斗が、42年ぶりに同校から直接のNPB入りを成し遂げた。今年は笹川も同様の結果となるのだろうか。

 1997年春の甲子園以来、全国大会から遠ざかっているY高から明るい話題が生まれることを期待したい。

 <横浜商出身のNPBプレーヤー>
※ドラフト制以降

片岡 健(横浜商高→神奈川大→リッカーミシン→1969年東映1位)
宮城 弘明(横浜商高→1980年ヤクルト3位)
中島 浩人(横浜商高→日本鋼管→1982年巨人5位)
三浦 将明(横浜商高→1983年中日3位)
荒井 幸雄(横浜商高→日本石油→1985年ヤクルト2位)
河原 隆一(横浜商高→関東学院大→1993年横浜1位)
武藤 孝司(横浜商高→創価大→1995年近鉄3位)
長坂 健治(横浜商高→横浜商大→日本IBM野洲→2001年近鉄8巡目)
山口 鉄也(横浜商高→米国ルーキーリーグ→2005年育成巨人1巡目)

(記事:勝田 聡)